このコンテンツは医療従事者向けの内容です。
SNSの普及に伴い、誰もが気軽に情報を発信できる社会となりました。その結果、不適切な発言や問題行動を撮影した画像がネット上で広まり、“炎上”するケースも増えています。
クリニックも例外ではありません。医療機関は患者の病歴など、秘匿性の高い個人情報を扱う組織です。もしクリニックスタッフがSNSを通じて個人情報を漏洩してしまったら、クリニックに対するダメージは計り知れません。また、個人やクリニックを特定できるような形で、患者への愚痴やクリニックへの不満が書き込まれれば、クリニックの患者離れやスタッフ採用に困難をきたす可能性もあります。
クリニックスタッフのSNS利用に関しては、
(1)就業規則で情報漏えいに対する規定を設ける
(2)SNSの利用ガイドラインを定める
といった対策が必要です。
前述したように、クリニックは秘匿性の高い個人情報を扱う組織ですので、まずは原則として業務中の個人のスマートフォンの持ち込み・利用禁止を就業規則に盛り込むべきでしょう。
勤務中はロッカーなどに入れてもらい、院内での利用は原則禁止とすべきです。さらに就業規則において、クリニックや関係者、患者などに対する誹謗中傷や名誉毀損、内部情報や個人情報の発信を禁じ、違反した場合は懲戒処分の可能性もあり得ると明示しておきます。
とはいえ、クリニックスタッフのプライベートなSNSの利用までを禁じることは不可能です。そこで、クリニックスタッフがSNSを利用する際に注意すべき点をまとめた「SNS利用ガイドライン」を設け、倫理面から不用意な投稿を控えるように促すとよいでしょう。
例えば、著作権や肖像権など第三者の権利を侵害しないこと、匿名であっても公序良俗に反した投稿はしないこと、不適切な投稿をしたときには削除を求める場合があること── などを盛り込みます。
ルールの徹底は難しいところもありますが、入職時の説明や定期的な研修などで理解を深めてもらうのがよいでしょう。
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【企画・編集 日経メディカル開発】