発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を搭載した表示機器が「LEDディスプレイ」であり、大型のLEDディスプレイを「LEDビジョン」と呼びます。
こちらでは、液晶ディスプレイとの比較に着目してLEDビジョンをご紹介します。
LEDビジョンは屋内・屋外両方に設置が可能です。一番の理由は明るさにあり、屋外日中でも鮮明に見えます。防水・防塵対応のLEDディスプレイでは、屋外環境に設置して利用することができます。
LEDビジョンが場所問わず明るいのは、表面を覆うLED素子自体が発光することにあります。画面の明るさは通常輝度で表され、液晶ディスプレイより5倍以上明るいことが分かります。
構造面の違いとして、LEDビジョンはパネル(モジュール)の組み合わせから構成されています。そのため、液晶ディスプレイのように画面サイズが固定ではなく、使用するLEDユニットの規格に基づいた比率のレイアウトも自由にできます。
1台当たりのサイズが固定
つなぎ合わせて1台にする
↓
1台の大きさ・比率を自由にレイアウト可能
液晶ディスプレイをLEDビジョンのように画面サイズを大きくする場合、ベゼル部分が画面上で線となって残ってしまいます。LEDはベゼルが無いため、複数使用して大きな画面を製作する場合でもきれいに映像が見えます。
ベゼルがつなぎ目となり、画面上の線として残る
つなぎ目がなく、きれいに見える
長期にわたり運用し続けると、画面が部分的に映らなくなる故障が起きることがあります。液晶ディスプレイは本体ごと交換が必要になりますが、LEDビジョンではモジュールのみ部分的に交換することができます。
本体ごと交換必要
モジュール単位で交換可能
LEDビジョンは近年、さまざまな種類が登場しています。視界を遮らない透過型、球体や波形などの曲面を実現するフレキシブルタイプ、丈夫で防水・防塵のを特長を活かした床設置などがあります。
LEDビジョンの製品についての説明や詳細仕様においてよく登場する用語をまとめます。
LEDビジョンはユニットと呼ばれる構成要素の集合体です。ユニットは、LED素子の集まりであるモジュールと、モジュールの土台部分であるフレームから成ります。モジュールは1ユニット全面分を指すだけでなく、モジュールを構成する小個体を指す時もあります。
ピッチ(ピクセルピッチ)とは、モジュール上のLED素子間の間隔を指します。ピクセルピッチの値が小さいほど、単位面積当たりのLED素子数は多くなり、解像度は高くなります。
広告としてLEDビジョンを用いる場合文字情報は重要となり、文字の読みやすさにもピクセルピッチは大きく関わります。
視認距離とは、LEDビジョンのターゲット(映像を見てほしい相手)からLEDビジョンまでの距離です。つまり適正視認距離とは、LEDビジョンの映像をきれいに見せるためにはターゲットがどの程度の距離にいたらよいかを指します。LEDビジョンの適正視認距離は一般的に下記式で導かれます。
最低適正視認距離=LEDビジョンのピクセルピッチ×1.16
LEDビジョンにおけるLED素子の構成には主に3つの種類があります。
- SMD (Surface Mount Device):基盤に直接取り付けられた四角形LED素子内に赤・緑・青の素子が入っている。各素子の端子はむき出しである。近距離提示に適する。
- COB (Chip On Board):SMDでむき出しとなっていた端子をLED素子の内部に入れ、素子自体を基盤に取り付けている。SMDより強度は高い。
- GOB (Glue On Board):SMDを透明接着剤でコーティングしている。衝撃に強くなっており、人が手に触れそうなLEDビジョンに用いられる。
- 短い端子がついている
- 基盤表面ではんだ付け
基盤との接する面が広いのでSMDより素子が取れにくい
SMDにグルーを塗布
表面をコーティング
LEDビジョンを導入するまでには、さまざまな手順が必要となります。
- ヒアリング
導入したいLEDビジョンの用途・設置目的や希望条件を確認する。 - 現地調査
希望の設置場所の環境について、取付場所の強度・電源位置・周辺の明るさなどを現場で調査する。 - 機器選定
ヒアリングと現地調査の内容から、適したLEDビジョンや周辺機器を選定する。 - 発注
見積りが確定したら機器の調達をおこなう。機器の発注から納品まで3~6か月かかることがある。 - 筐体製作
筐体や取付フレームが必要な場合、筐体の設計・製作をおこなう。 - 設置・施工
事前に調整したスケジュールに基づき、現場にて設置・施工をおこなう。 - 映像・動作確認
施工完了後、初期設定~コンテンツの配信まで実施し、動作確認をする。 - 運用開始
お客さま目線のマルチベンダー体制で最適なロケーションや用途を考え、最も効果的に情報を伝えるシステムを構築。
施工からコンテンツ制作、アフターサービスまでを一貫して行う”ワンストップサポート体制”でお客さまのさまざまなご要望におこたえします。