富士フイルムは、薬剤を患部に届けるドラッグ・デリバリー・システム(DDS)技術であるリポソームや脂質ナノ粒子(Lipid Nanoparticle、LNP)に関する製剤設計や生産プロセス開発、および製造受託サービスを行っており、お客様のご要望に研究から商用製造までシームレスに対応いたします。
写真フィルムを始めとする幅広い製品開発で培い進化させてきた、高度なナノ分散技術や解析技術、合成技術を活かして、お客様の開発ニーズに最適なリポソームやLNPを提供いたします。また、計算科学に基づいた脂質膜設計、核酸医薬品の送達に適した独自の脂質開発も行っており、お客様の製剤設計をサポートいたします。
リポソームやLNPの製造装置のリーディングカンパニーであるカナダのPrecision NanoSystems Inc.(以下 PNI社)とパートナーシップ契約を締結し、PNI社のラボスケール機(Ignite™, Blaze™)と商用製造スケール機(NanoAssemblr® GMP System)まで取り揃えております。このシステムを活用して、お客様のラボにおける検討結果を元に、GMP製造までのプロセス開発をシームレスに実施いたします。
また、当社独自に確立したリポソーム製造プロセスを提供することも可能です。繰り返し再現性とスケールアップ(350Lまで)が容易なことが特徴で、お客様で検討されたラボスケールでの製造プロセス(エクストルージョン法)を元に、当社プロセスに切り替えることが可能です。尚、本プロセスは当社の開発品「FF-10832*1」「FF-10850*2 」の治験薬製造実績があります。
*1 抗がん剤「ゲムシタビン」をリポソームに内包したリポソーム製剤
*2 抗がん剤「トポテカン」をリポソームに内包したリポソーム製剤
グループ会社の富士フイルム富山化学に新たに建設した商業生産に対応したリポソーム製剤工場(日・米・欧のGMP基準対応)にてリポソーム、LNPの製造を実施しております。この工場では、注射剤の無菌製造で蓄積してきた富山化学の生産ノウハウによる安定生産に加え、高薬理活性化合物への対応、最新ICT技術をもちいた先進的な生産システムを実現しております。