富士フイルムビジネスイノベーションは、複合機をはじめとするオフィス機器や企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する商品やサービスの提供を通じ、お客さまの経営課題の解決に貢献する企業です。その国内営業を担当する富士フイルムビジネスイノベーションジャパン(以下FBJ)では、全国に張り巡らせた拠点網を通じて、各地域の企業や団体のパートナーとして、お客さまが抱える個別の課題に的確な解決方法(ソリューション)を提案していくことが求められます。さまざまな業務を経験しながら、福岡でキャリアを重ねてきた“営業のエース”に、仕事に対する思いや働きがいについて語ってもらいました。
主な業務
- 多種多様な法人のお客さまに対して、複合機・プリンターなどのオフィス機器や、DXに関するソリューション・サービスを提案し、ビジネスにおけるドキュメント(書類)とコミュニケーションに関わるお客さまの課題解決やイノベーションに貢献する。
- マネージャーとして福岡(北九州)エリアの営業グループをまとめる。
挑戦エピソード
- さまざまな業界のお客さまのニーズをくみ取り、先を見据えた提案で信頼関係を勝ち取る。
- 福岡の大手食品メーカーが県外へ進出した際、パートナーとして事業展開の支援に尽力する。
大学で学んだ組織論を生かして営業職に
福岡の大学で経営学を学び、特に組織変革論を専門としていました。多くの企業の事例をもとに組織運営について勉強する中で、企業の現場を知りたいという思いが強くなり、たくさんのお客さまと関わりが持てそうな「法人営業*」の職種を選びました。
数ある企業のなかでFBJを選んだのは、複合機*がどんなビジネスにおいても不可欠な製品だから。お客さまのビジネスをサポートするためにどんな提案ができるのか、ビジネスの付加価値を高めるにはどのような提案が必要なのか。さまざまな業界の最前線で求められることを日々考えて業務に当たるのは楽しく、入社から10年を超えた今でもその気持ちは変わりません。
法人営業とは?
個人ではなく、企業や団体などを相手に商品やサービスを販売する業務。
複合機とは?
コピー、スキャナ、プリンター、ファクスなどの機能をあわせ持つオフィス向けの機器。
最も大切なのは、相手からの「信頼」を勝ち取ること
営業として「お客さまのビジネスの付加価値を高めるために動く」というスタンスが身についたのは、新人の頃だったと思います。入社後は、取引実績がないお客さまを対象とする「飛び込み営業」からスタートしました。もちろん最初からビジネス課題を相談してもらえるような関係性ではありません。
そんな中、あるお客さまに何度も何度も粘って新しい提案をしていた際、「今度、部署を新設することになった」と話をしてもらえたことがありました。「これはチャンスだ!」と思い、「とにかく良い提案をして役に立ちたい」という一心で、必死にアイデアを練りました。
「なぜ新しい部署ができるのか」「新設部署のコンセプトはどんなものが良いか」など、自分で「仮説」を立てて、必要となる機器やネットワーク配線、オフィス家具などを先読みして提案したのです。すると、お客さまは「ここまでしてくれるのか」といった反応を見せてくださいました。それがまさしく、私たちに対する評価が変わった瞬間でした。
競合他社が多数いる中、スピード感をもって“一歩先の提案”ができたことが、大型案件の受注につながったのだと思います。お客さまの別の部署の方からも「ありがとう」とお礼の言葉をいただいたこともありました。期待以上のことをする。その結果が信頼関係を築くことにつながるのだと実感しました。
私が提案時に心がけているのは、「相手の思考に入り込み、先を読んで提案すること」です。同じ業界でも担当者によって思考のパターンが異なるので、話す順序やロジックを相手のタイプによって変えています。お客さまが少しでも笑顔を見せてくれたら、それが突破口となり、糸口が見えてきます。
もちろん私一人ではなく、営業グループのみんながいるからできること。1対1ではなく、チームとしてお客さまを支えていければ、常に万全の体制でサービスを提供できます。営業グループ全員で勝負できるのが私たちの強みであり、達成感や働きがいにもつながっています。
「先を読んだ提案」の難しさは「お客さまの業界の幅広さ」
お客さまと信頼関係を築きながら、期待にこたえていく過程で一番の課題になるのは、お客さまの業界や業種の幅広さです。業界や業務について私たちがきちんと理解することなしには、先を読んだ提案などまずできないと常々感じています。業界によってさまざまな専門用語があり、取り組むべき課題や解決の道筋も異なるからです。
まずは相手と共通言語をもって話せるよう、専門用語を覚え、その用語が実際の現場でどう使われているのかを理解するところからスタートします。そうしないと、お客さまのことを理解していると認めてもらえず、信頼関係を築くことなどまずできないからです。根本的なことが分かっていないと、見当違いな提案をして、むしろ印象を悪くしてしまう可能性もあり得るのです。
さまざまな業界の最前線の知識を身に付ける作業は、地道でとても大変です。社内の先輩や同僚に相談したり、社内勉強会に参加したりしながら勉強を続けています。
“横”や“上下”のつながりが強い福岡では、ある一社のお客さまから信頼を得られたことで、同じ業界のお知り合いを紹介していただけることもあります。私自身やチームの経験が糧となり、より多くの企業の役に立てれば、地域経済の繁栄にもつながる。こうしたプラスの連鎖が起これば、一層やりがいを感じます。
地元企業が羽ばたくために精いっぱいの支援をする
あるとき、営業先だった福岡の大手食品メーカーさまから、県外の工場新設を検討中だと伺いました。しかし、建設地には信頼関係がある事業者がいないということで、全国に拠点を持つ私たちが工場内のシステムや配送伝票などに関する一連のソリューションを提案することになったのです。
こうした他県での事業展開をサポートできるのは、全国に支社を持つ私たちならではの強みです。お客さまにとっても初めてのことばかりですから、少しでも不安を取り除けるよう地元の私たちがチーム一丸となり、先方の会社で働く社員になったつもりで万全にフォロー。工場のレイアウトも一緒に見ながら、必要な機器やシステムについてお客さまに先駆けて提案し、その後は、現地のチームにしっかりと引き継ぎ、現地支社の人脈を生かしてプロジェクトを進行していきました。
その結果、スケジュールどおりに工場が完成。先回りしてプラスアルファのサポートができたことで、大変喜んでいただきました。
それまで「地元貢献」の意識が強いほうではなかったのですが、このときの経験はとてもうれしく、「これからも地元企業の発展をサポートしたい」という思いを強くしました。
積極的になれば、必ずチャンスは巡ってくる
2013年の入社後、博多地区の新規顧客の開拓や既存顧客への営業活動を行い、さらに新設事業部にてお客さまへのDX支援を経験。現在では北九州支店の営業グループ長となりました。
さまざまな現場を見ることが入社当時からの希望だったので、これまでは順調にキャリアを積んできたと言えます。これは当然、私一人の力ではなく、社内や社外のたくさんの方々にサポートしていただいたおかげです。
「こうしたい」という強い気持ちをアピールすれば、必ずチャンスをもらえるし、活躍できるポジションも準備してもらえる。「地元でキャリアを積みたい」と考えている人には向いている環境だと思います。
現在はグループ長として、人材育成も担っています。一人ひとりがお客さまにとってすばらしいパートナーとなり、良いチームを築けるよう、これまで培った経験を生かして貢献できればと思っています。
働いていると、いろいろな出来事が起こります。仕事のステージによって気持ちやライフプランが変わるのも当たり前。環境もどんどん変わります。そうした中でも、自分が今できることに精いっぱい向き合い、信頼を築き上げていくことで必ず道が拓けると信じています。 目の前のお客さまの役に立つことが地域貢献となり、達成感や働きがい、そして自分を高めることにもつながるのだと思っています。
最近友人の勧めで始めたボルダリング。時間があるときは、福岡市内のクライミングジムへ通い、いつか岩場を登るため、日々精進を重ねている。
コロナ禍にハマったのがボードゲーム。プレイしたいときは福岡支社の近くにあるボードゲームカフェへ行く。「気が付いたら4、5時間経っていた」というくらい夢中になってしまうそう。お気に入りは推理力が試される『クリプティッド』。