目的に応じた配色

応用

POINT

写真の持つイメージを優先して引き立つ色を選びましょう

写真を引き立たせる色は被写体によって変わります

写真を引き立たせるための配色と一口にいっても、被写体によって色はさまざまに変化しますから、「この色を使えばすべての写真が引き立つ」という色はありません。例えばクルマなどはボディカラーのバリエーションがありますし、動物や花などはそれ自体がカラフルだったりしますから、配色のための色を一つにしぼることはできなくなるというわけです。

それでは、配色のために使う色を選ぶ基準はどのように考えればいいのでしょうか。一つの方法として、被写体の持っているイメージを優先して色を選ぶということがあります。スポーツや猛獣のように躍動感のあるものであれば、彩度の高い色をあえて選ぶことで、写真とレイアウトの要素が互いを引き立たせます。また、被写体によっては敢えて色味を抑えることで、写真をより魅力的に見せることができる場合もあります。

柔らかいイメージには中間調が効果的です

下に掲載しているようなハーブがモチーフの場合、補色よりも同系色を使うのが効果的ですが、彩度の高い色を選んでしまうと、お互いが強調されかえって写真が埋もれて見える結果になってしまいます。このような写真のときは、中間調を上手に使うといいでしょう。ここではタイトルバックの彩度や写真の影を薄く調整し、囲みで使用する色と説明文のトーンを落とすことで、写真が引き立つようにしています。

写真を引き立たせる場合の配色

 

写真を引き立たせるための配色のポイント

●写真を引き立たせる配色の方法は一つではありません
●被写体によっては純色よりも中間調が効果的です

 

 

応用

POINT

文字色の持つイメージを理解して組み合わせましょう

見た目に安定感のある紙面にしましょう

文字の配色には補色対比や同系色などがありますが、配色の目的の一つに「可読性の向上」というものがあります。チラシの最も重要な目的の一つとして、情報を正確に伝達するということがあります。そのためには、いかに文字が読みやすく仕上げられているかが求められます。もちろん紙面が商品のイメージを伝えていることが前提ですので、文字だけが目立ってしまわないように配慮をしなくてはいけません。つまり、文字は読ませる工夫、写真は見せる工夫をすることで紙面が安定して見え、読みやすさにつながることになるわけです。

可読性を上げるために、文字には適切な色を使いましょう

色には膨張色と収縮色という性質があり、一般的には明るい色ほど実際よりも大きく太く見える傾向にあります。これを覚えておくと、ゴシック体、明朝体といった書体を使い分けながら配色をする場合に有効です。比較的強く見えるゴシック体であれば、どのような色を選んでも大きな問題はありませんが、明朝体に収縮色を使ってしまうと、可読性が低くなってしまいます。下の例では、タイトルの明朝体に明度の高い膨張色を選び、また、本文と見出しという共通の要素を同系統に、背景を同じトーンを使うことで、読みやすさと統一感を出しています。

文字を読ませるための配色

 

文字を読ませるための配色のポイント

●紙面の安定感が可読性につながります
●明朝体には膨張色が効果的です