欧文書体の選び方
欧文書体と和文書体の違いを理解しましょう
欧文書体のデザインは基本的に2種類に分けられます
欧文書体には大きく分けて「セリフ」と「サンセリフ」という2種類のデザインがあります。セリフは、和文書体でいう明朝体のように、文字の縦線と横線に太さの違いがあり、文字の始めと終わりの部分にセリフという飾りが付いているのが特徴です。成り立ちは違いますが、漢字の「はね」や「はらい」などのように装飾的な役割も持っています。もう一方のサンセリフというのは、フランス語で「セリフがない」という意味で、セリフの付いていない均一な線で構成をされた文字のことをいいます。日本では慣例的にゴシック体と呼ばれるものになります。
ただし、欧米でゴシック体といった場合にはブラックレターという古典的な書体を指します。
欧文書体は文字ごとに幅が異なります
欧文書体も和文書体と同じようにセリフのほうが柔らかく流麗なイメージを与え、サンセリフのほうが力強く男性的なイメージになります。欧文書体は、漢字と違って文字ごとにデザインの幅が異なっています。漢字は基本的に正方形の中にすべてが収まるように作られていますが、アルファベットの「M」と「I」を見てわかるとおり、欧文書体ではそれぞれが同じ文字幅になるようには作られていません。これはセリフでもサンセリフでも変わりがありません。
ただし、例外として意図的にすべての文字幅が同じにデザインされた書体もありますが、限定された用途で使われる場合がほとんどです。
欧文書体のイメージを理解するポイント
●欧文書体はセリフとサンセリフの2種類があります
●欧文書体は文字ごとにデザインの幅が異なります
欧文書体のデザインは基準がたくさんあります
大文字と小文字でデザインの基準が異なります
和文書体は、基本的にすべての文字が正方形に収まるようにデザインされています。これは漢字でも平仮名でも片仮名でも共通で、あとは文字の線幅が異なるウェイトの違いが用意されていることになります。しかし、欧文書体では大文字と小文字でデザインの基準が異なり、単純に大文字を小さくしたものが小文字となっているわけではありません。
欧文書体には、文字の最も高い部分を示すアセンダラインと、大文字の最大の高さを示すキャップライン、小文字の高さを示すエックスライン、すべての文字を揃えるときの基本となるベースライン、小文字の「g」や「y」など下方向に飛び出す部分の最大値を示すディセンダラインが用意されています。
ウェイトとベースラインに注意しましょう
欧文書体は、和文書体の明朝体に相当するセリフか、ゴシック体に相当するサンセリフのどちらかを選ぶことになります。また、欧文にはイタリック体という傾斜のついたデザインの文字もあります。これは欧文書体特有のもので、強調や引用を示す場合に使われることの多い文字です。
欧文書体と和文書体を組み合わせて使うときには、両方のウェイトが同じものを選ぶようにすると、美しく見えます。また、欧文書体のベースラインが極端に低いものや、小文字が小さくデザインされた文字は、和文書体と組み合わせるときにサイズを調整しなくてはならないことがありますので注意が必要です。
欧文書体を選ぶポイント
●欧文書体のデザインの基本を把握しましょう
●ベースラインとウェイトを揃えて使いましょう