お客様導入事例 株式会社ゴールドウイン 様
お客様導入事例 株式会社ゴールドウイン 様
執行役員 人事総務本部長 黒川 聖二 様
人事総務本部 総務部 縄田 知明 様
経営企画本部 システム・物流企画部 リーダー 澤田 光弘 様
左から)縄田様、黒川様、澤田様
将来的な本社移転を見据え、
職場環境や働き方を見直す「Project Zero」スタート
事業の拡張により専門性の高い人材のキャリア採用が増え、執務スペースも手狭に。ペーパーレス化で環境マネジメントの取り組みをさらに前進させようと、クラウドを活用した新たなオフィス環境の構築を模索する。
執行役員 人事総務本部長 黒川 聖二 様
黒川樣: 当社は「スポーツを通じて、豊かで健やかな暮らしを実現する」という企業理念のもと、各種スポーツ用品の企画・製造から物流、店舗運営・販売までを一貫して行っています。メーカーとしてスタートし、その後は直営店を持ってビジネスをするようになり、近年はECも展開するなど、事業領域を着々と拡大しています。扱うブランドも増えていますし、事業規模が拡大するに伴って社員数も増え、拠点は全国に5ヶ所、関連企業のネットワークは海外にまで広がっています。
時期はまだ決まってはいませんが、将来的に本社移転を見据えており、職場環境や働き方を見直しておく必要を感じていたことが、今回のプロジェクトを進める1つの背景でした。
もともとメーカーですから、ISO14001を取得して環境マネジメントへの取り組みを進めていました。加えて、事業の拡張により専門性の高い人材のキャリア採用が増えたことで社内が手狭になり、効率よく業務を行うためには整理・整頓をより意識する必要があると感じていました。その流れから「ペーパーレス」という議論が出てきたのです。
人事総務本部 総務部 縄田 知明 様
縄田様:社内のスペースを有効活用しようというのが発端となり、紙を減らしてデータ化し、それを集約する方法を検討し始めました。それが全社ペーパーレス推進プロジェクト「PROJECT ZERO」に繋がっています。
経営企画本部 システム・物流企画部 リーダー 澤田 光弘 様
澤田様:ITからの目線でお話しすると、当社では現場の要望を取り込みつつ、自社で独自の基幹システムを開発やグループウェアはじめ各種サブシステムも個別のパッケージやスクラッチ開発で作り上げてきました。しかし、それゆえに特殊なロジックで属人化しやすく、操作性の面でも使いにくいという声が多かったのです。実際、部門異動者やキャリア採用者など、初めてシステムに触れる人にとっては使いにくい仕組みでした。
私が所属するシステム・物流企画部はシステム改革を担う部署であり、昨今よく言われるDX推進やワークスタイル変革のためにシステム改革を進めようと考えました。社内で意見を集めたところ、PC自体が使いにくいという声が多く、それならば、クラウドを活用した新たなオフィス環境を構築する必要があると感じたのです。
「いつでも、どこでも、誰とでも」を目指し
プラットフォーム「Box」と複合機を連携
ペーパーレス化のコンサルティングを富士フイルムビジネスイノベーションジャパンが担当。さらに「ApeosWare Management Suite」や「Cloud Service Hub」などのサービスを活用し、プラットフォームとクラウド環境をシームレスに連携できる環境を実現させた。
澤田様:システムとして実施すべきことを検討した結果、ネットワーク強化、PC強化、ペーパーレス推進、グループウェアの更新、NASクラウドサービス化という5つの項目で進めることを方針にしました。これらは関連性があるため、同時並行で進めることにし、なおかつ、「いつでも、どこでも、誰とでも」というわかりやすいスローガンと、「利用者が使いやすい・使いたくなるシステム」を意識して進めることを重要視しました。
具体的には、情報管理基盤として高セキュリティーで使い勝手が良いと感じていた「Box」をプラットフォームとして採用し、そこにクラウド環境とシームレスに連携できるオフィス環境を整えようと考えました。検討する過程で、ペーパーレスを推進させるためのコンサルティングをお願いしたのが、以前からお付き合いのあった富士フイルムビジネスイノベーションジャパンです。
富士フイルムビジネスイノベーションジャパンからは、統合ソフトウェア「ApeosWare Management Suite」や、「Cloud Service Hub」をご提案いただき、それにより複合機と「Box」を連携させる仕組みが整いました。具体的には、「Box」に保存したデータを直接、複合機でプリントアウトができたり、電子化したデータを直接「Box」にアップロードできるようになりました。また、「どこでもプリント」を活用すれば、当社のネットワーク環境下ならどこでも複合機から印刷できますし、いちいちパソコンを介して作業をする必要もなりました。
ペーパーレス化という点では、社内のパソコンを全て「Surface」に変更。会議資料などは全て、データで事前に送付し、出力しなくても済むフローに変えました。
どこでも仕事ができる環境が整い、テレワークの導入もスムーズに
ペーパーレスの動きは、経営陣の理解が得られたことで社内に一気に浸透する。結果、東京支社において70%の削減に成功。
澤田様:このペーパーレス化の取り組みについては、最初に経営層に導入しました。経営会議や取締役会議の資料は全て事前にデータで送付し、「Surface」を会議の場に持ち込んで画面上で見るというかたちをとりました。「Surface」はタッチペンで書き込みができますし、拡大もできますから、細かい数字が並ぶような会議資料でも問題なく見ることができます。「紙じゃなくてもできる」という認識をまずは経営層に持ってもらうことで、社内への浸透を一気に図ろうと考えたのです。
黒川様:正直なところ、経営層の中でも抵抗はありました。しかし、使ってみれば非常に便利で、使い勝手がいい。そうした声がきっかけとなり、社内での浸透が一気に進みました。もともと若い社員はペーパーレス化に対して抵抗がありません。一番足踏みする50代以上の中間管理職の層の人たちが、こうした流れにつられて動き出すという、そんな雰囲気でしたね。
縄田様:「どこでもプリント」は非常に便利で、評判は上々です。今やその環境があることが普通になっていますし、まさに使いたいシステムになっていると感じます。具体的な効果としては、最初に導入を進めた東京支社のみの数字ですが、ペーパーレス指標が2.03fm(※)から0.62fmへと推移し、約70%の削減を実現しています。
また、ファクスも全てデータでのやりとりになり、非常に便利になりました。商品のカタログの校正作業も全てデータ上でできるようになり、紙を出力する作業が一切なくなったので効率化が進み、時間短縮にもつながっています。経理や財務、法務などは紙を使うことが多い部署ですが、そうしたところでもペーパーレスは着々と進んでおり、同時に業務効率も良くなっています。
こうしたペーパーレス化により、まさに「どこでも仕事ができる環境」が整ったわけですが、その効果として最も大きかったのが、テレワークの導入です。コロナ禍において、スムーズに在宅勤務へとシフトできたのは、今回のシステム導入のおかげです。
※1fm(ファイルメーター)はプリント1万枚(厚さ100㎝)に相当
「働き方改革」が社員の帰属意識を高めるきっかけに
次のステップとして、基幹システムのクラウド化にも着手。「どこでも仕事ができる」概念をさらに広め、働き方改革を進めていく。SDGsの取り組みにも注力し、帰属意識が育まれる組織を目指していく。
澤田様:次の取り組みとして、基幹システムのクラウド化に着手しています。今までオンプレミスで運用していたものをクラウド化できれば、本当の意味で「どこでも働ける環境」が整います。ゆくゆくは会社として機械などの資源を持たないところに向かっていければと考えています。
縄田様:今後も「PROJECT ZERO」が進める「どこでも仕事ができる」という概念を広めていくことで、大きな意味での「働き方改革」を推進していきたいと思っています。今後は東京本社だけでなく、富山本店を筆頭に大阪支店、札幌営業所、福岡営業所と5つの国内事業所、さらには関係会社においてもプロジェクトを拡大させ、それぞれで50〜70%を目標にペーパーレス化を進めたいと考えています。
「Box」との連携も含め、今回のプロジェクトをリードしていただいたのは間違いなく富士フイルムビジネスイノベーションジャパンのスタッフの皆さんです。本当に感謝申し上げるとともに、引き続きのサポートをお願いします。
黒川様:今回のプロジェクトを進めるうえで、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンには2点で大きな感謝をしています。1つが、他社比較のデータを示していただけた点です。「他社と比べてうちはどうなのか」がわかることが、もっと良くしていこうという推進力につながったと感じています。2点目が目標値など具体的なガイドラインを出していただいたこと。「そこに向けて頑張る」という前向きな取り組みにつながりました。この2つの可視化が、プロジェクトを前に進める力になったと感じます。
最近は特に、情報の透明性やSDGsで言われるような持続可能な取り組みについての意識が高まっています。当社でもペーパーレス化を機に、社内のペットボトルを廃止し、ウォーターサーバーの導入を始めたのですが、ペーパーレス化という取り組み自体を、会社のありようを考えるための1つのきっかけにするのもいいのではないかと感じています。同時に、会社がSDGsのような新しい取り組みに積極的に目を向けることは、そこで働く社員のロイヤリティを高め、帰属意識にもつながると感じています。引き続き、新しい取り組みを進めていきたいと考えています。
左から)
株式会社ゴールドウイン 人事総務本部 総務部 縄田 知明様
株式会社ゴールドウイン 執行役員 人事総務本部長 黒川 聖二様
株式会社ゴールドウイン 経営企画本部 システム・物流企画部 リーダー 澤田 光弘様
富士フイルムビジネスイノベーションジャパン 安井 裕
高セキュリティーで情報管理基盤として優れるプラットフォームと、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンのサービスを組み合わせることでクラウド環境とシームレスに連携できるオフィス環境を整えた株式会社ゴールドウイン様。短期間でプロジェクトを軌道に乗せたあとは、次のステップである全拠点への導入と基幹システムのクラウド化へと進んでいます。さらなるワークスタイル変革の実現に向け、これからの取り組みにも期待ができそうです。
まとめ
導入前 | 取り組むべき課題 | 解決策 | 改善効果 |
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◆紙文書(契約書やマニュアル 等)の保管のためにオフィスのスペースがとられて保管コストが増加している |
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◆紙資料ベースで業務が行われているため、活動場所の制約を受けて、業務効率が低下している |
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◆文書管理ルールが不明確であり、文書検索に時間を要したり、セキュリティー面での不安もある |
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導入前 |
◆紙文書(契約書やマニュアル 等)の保管のためにオフィスのスペースがとられて保管コストが増加している |
◆紙資料ベースで業務が行われているため、活動場所の制約を受けて、業務効率が低下している |
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取り組むべき課題 |
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解決策 |
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改善効果 |
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導入前 |
◆文書管理ルールが不明確であり、文書検索に時間を要したり、セキュリティー面での不安もある |
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取り組むべき課題 |
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解決策 |
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改善効果 |
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ゴールドウイン様に導入したシステム
注記:事例の内容は2021年2月時点の情報です。
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