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報道機関各位
平成7年11月7日
富士写真フイルム株式会社
コダックは、11月6日午前(米国ワシントン時間)、その301条提訴に関して当社の反論書(歴史の改ざん)に対する再反論書とみられる文書を発表しました。当社は直ちにこれを入手し、分析しておりますが、現段階で申し上げれば、コダックの主張にはまたもや全く見るべきものはありません。
コダックは、真の証拠にとって代わって、膨大なページ数の文書を発行しました。しかし、1,000ページ以上もの文書でU.S.T.R.を埋めつくそう、という行為自体が、当社の反論書がコダックの提訴の弱点・欠陥を的確についていたことを示す何よりの証拠といえます。
当社は、コダックが新しい「事実」と主張しているものに対し、その内容が虚偽の主張、曲解、あいも変わらぬ見当違いのでっち上げに基づいていることを、出来るだけ早い時期に明らかにすることをお約束します。いずれにせよ、コダックの今回の再反論書によっても、当社が既に明確に証明した以下の事実は、何ら変わっていないのです。
- コダック製品は日本市場において広く入手可能な状態にあり、コダックフィルムを仕入れようとする小売店は、容易にこれを入手することができます。
日本の写真市場には流通上のボトルネックなど全く存在しません。 - コダックの提示する日本政府の関与の「証拠」なるものは、いずれも全く妥当性を欠くもので、また日本の写真市場の発展とは何らの関係もないものです。
- コダックの日本市場における問題は、その自らの行為にあります。例えば、コダックは、1971年資本自由化がなされた以降15年間も、自前の流通網の構築を怠ってきました。
また、レンズ付フィルムや高解像度のISO 400フィルムなどの、革新的な成長製品を日本市場に導入するのに、2年もの遅れをとってきたのです。 - コダックは、米国において自ら非常に排他的な行為を行っています。301条の規定によれば、U.S.T.R.は海外での障壁を調査するにあたり、米国市場での状況を比較するべきことを、明文で規定しています。
この比較を行えば、コダックの行為のほうがはるかに排他性の強いことが明らかです。 - コダックは、今回もまた日米のフィルム価格の問題について、根拠のない主張を繰り返していますが、これは当社が「コダックの主張は恣意的に採用したデータに立脚し、故意に事実を歪曲したものであること」を明確に論破した内容そのものであります。
億面もなくこれを繰り返すコダックの行動は、何を目的にしたものなのでしょうか。 - コダックは日本のフィルム価格は米国の価格と比べて高いと主張していますが、日米の小売価格はほぼ同レベルであり、少なくとも日本が高いということはありません。フィルム価格は、日本でも米国でも品種により、アウトレットの業態により、またパッケージタイプにより差があることは、周知の事実です。
価格比較はアウトレット業態別に、同一品種・同一パッケージタイプで行うことが必要です。
しかしコダックは、日本の写真専門店での価格の高い単品売りフィルムの価格と、米国のディスカウントストアにおける低価格の別タイプ品の価格を比較して、日本のフィルム価格は高いと主張しているのです。
このような日米両国民を欺くための論法は、決して許されることではありません。 - コダックは日本製フィルムの米国への輸出価格と日本国内の卸価格を比較していますが、これは比較できないものを比較しているのであり、全く無意味なものです。
もし、試しに同じ方法論での比較をコダックの米国での卸売価格と米国から日本への輸出価格に適用するならば、その価格差は4.1倍にものぼります。
コダックが、どれだけの量の文書を提出しようと、事実は何も変えられません。日本の写真市場はコダック製品に対して開かれており、現在のコダックのシェアは自らのマーケティングの問題に起因するものです。
今や、コダックにとって重要なのは、このような膨大な量の文書の制作ではなく、 事実に基づく議論を行うことであると考えます。
富士フイルムは、事実が客観的に公平に判断されれば、コダックの提訴は消滅するものと確信しています。
以上