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公益社団法人日本医学放射線学会(事務局所在地:東京都文京区、理事長:青木 茂樹、以下JRS)、順天堂大学(本部所在地:東京都文京区、学長:新井 一、大学院医学研究科放射線診断学 教授:青木 茂樹)、富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一、以下富士フイルム)は、国内の医療機関※1で撮影された医用画像を集約し一元管理するデータベース「日本医用画像データベース(Japan-Medical Image Database、以下J-MID)」向けに次世代クラウド管理基盤を構築しました。次世代クラウド管理基盤は、富士フイルムのクラウド型医用画像管理基盤を活用したもので、本日稼働しました。次世代クラウド管理基盤を採用したJ-MIDは、国内のどこからでも高速な医用画像の登録・参照・検索を可能にし、医用画像を活用した画像診断支援AI技術の研究開発を促進します。
J-MIDは、JRSが2018年に稼働させた、医用画像を集約し一元管理するデータベースです。JRSは、J-MIDの活用を推進し、画像診断支援AI技術はじめ、画像診断の精度向上や効率化を支援する技術の研究開発を促進させることを目指しています。J-MIDには、これまでに国内の医療機関・研究施設10施設※1から提供された4億枚を超えるCT・MRI画像が、所見などを含むレポート情報とともに登録されています。現在、J-MIDを活用した研究開発をリードする研究代表施設である順天堂大学や、その他複数の共同研究施設※2において、J-MIDに登録された画像や情報をもとに、画像診断の精度向上や効率化に寄与するさまざまな技術の研究開発が進められています。
JRSと順天堂大学は、J-MIDの活用を加速させるため、データベースのサーバーを特定の場所に設置して管理する従来の方式から、クラウド上で管理する方式に移行することを決定しました。次世代クラウド管理基盤を採用したJ-MIDは、国内のどこからでも、高速かつ簡便な画像の登録・参照・検索を可能にします。また、画像診断支援AI技術などの研究開発プロセスにて医用画像をAIに学習させるために必要なデータ加工(アノテーション※3)を3次元領域で行うツール「3Dアノテーションツール」や、データベース上に登録された大量の画像の活用状況をモニターできる「ユーザーポータル・ダッシュボード」など、効率的な研究開発を支援する豊富な機能も搭載しています。
今後、JRSと順天堂大学は、J-MIDのさらなる活用推進と利便性向上に取り組み、学術的な研究から社会実装にいたる幅広い活動を支援していきます。また富士フイルムは、J-MID向け次世代クラウド管理基盤の構築を通して得た知見を活かして、自社のクラウド型医用画像管理基盤を用いた製品の開発・提供を加速し、医療情報の安全な保管・活用を支援していきます。
- 医用画像を国内のどこからでも高速かつ簡便に登録・参照できるほか、参照したい医用画像やレポート情報を簡単に検索することも可能です。
- 医用画像をAIに学習させるために行うアノテーションを3次元領域で効率的に行えるツール「3Dアノテーションツール」を搭載。セグメンテーション※4、ディテクション※5、クラシフィケーション※6など、学習データ作成に必要なマーキングやラベル付けを直感的な操作で付与できます。
- 複数の研究者が並行してアノテーションを行うことを想定した「プロジェクト管理ツール」を搭載。開発プロジェクトチームで大量の正解データを効率的に加工することをサポートします。
- データベース上に登録された大量の医用画像や、所見などを含むレポート情報がどのように活用されているかを管理画面上でモニターできます。J-MIDを利用する各施設からアップロードされた画像やレポート情報のデータ容量や、ダウンロードされた容量を参照し、各施設での活用状況を把握することができます。
J-MIDは、日本医学放射線学会が、2018年に、日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受けて稼働させた、国内の医療機関で撮影された医用画像を集約し一元管理するデータベースです。JRSは、J-MIDの活用を通して、画像診断支援AI技術をはじめ、画像診断の精度向上や効率化を支援する技術のほか、画像診断装置やシステムの適正使用、画像標準化、被ばく管理など、放射線医療の向上に向けた研究開発を推進しています。2019年より順天堂大学(大学院医学研究科放射線診断学 教授:青木 茂樹)が研究代表施設としてJ-MIDを活用した研究開発をリードしています。現在、データ提供施設として国内計10施設、共同研究施設として国内計14施設がJ-MIDに参画しています。
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