富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、世界最高※140倍ズーム・世界最望遠※11000mmを実現した放送用ズームレンズ「FUJINON HZK25-1000mm」を本日より発売します。「FUJINON HZK25-1000mm」は、2つの大型センサーに対応するデュアルフォーマット方式を採用した、箱型タイプの放送用ズームレンズです。浅い被写界深度によるボケ味を生かしたシネマライクな映像表現を実現し、スポーツ中継やライブ・コンサート中継などに最適です。
今後、当社は、「FUJINON HZK25-1000mm」のグローバル展開に向けて、“Dual format live lens”※2の意味を込めた「Duvo Box」※3を本レンズの愛称として使用し、製品拡販を図っていきます。
- 長年培った光学技術を駆使し、世界最高40倍ズーム・世界最望遠1000mmを実現。スポーツ中継やライブ・コンサート中継のみならず、映画・CMなどの制作現場でも、高倍率を生かした望遠撮影を可能とします。
- 2つの大型センサーに対応するデュアルフォーマット方式を採用。放送業界で利用が進むシネマカメラに装着可能です。通常はスーパー35mmセンサーに、さらに内蔵のエクスパンダー※4の使用によりイメージサークルを1.5倍に拡張できるため、同センサーより更に大きい35mmフルサイズ相当のセンサーにも対応※5。いずれのセンサーの場合でも、同じ画角での撮影を実現します。
- 広角側でF2.8の明るさを有し、浅い被写界深度による美しいボケ味を生かしたシネマライクな映像表現が可能です。また、大口径非球面レンズと蛍石レンズ※6を採用し、各種収差を徹底的に抑制。4Kを超える光学性能を発揮します。
- シネマカメラに装着しながらも、ズームデマンドやフォーカスデマンドを用いた放送用レンズと同じスタイルで操作が可能。すでに発売している、豊富なアクセサリー※7を使用できます。
現在、スポーツ中継やライブ・コンサート中継などの撮影現場では、放送業界で主流のセンサー※8を超える大型センサーを搭載したシネマカメラを用いて、ボケ味やハイダイナミックレンジを生かした没入感のある映像を撮影する機会が増えています。しかし、シネマカメラ用レンズは、映画やCMなどの制作用途に最適化されているため、放送用レンズと比べてズーム倍率が限られています。また、フォーカス操作専任者を必要とするなど放送業界での撮影と異なるオペレーションも生じることから、当社は大型センサーに対応しながらも、箱型タイプの放送用レンズと同じ操作を可能とする高倍率ズームレンズ「Duvo Box」を開発しました。
当社は、今回発売する「Duvo Box」を、2023年4月15日~4月19日に米国・ラスベガスで開催される世界最大規模の国際放送機器展「2023 NAB Show」にて出展する予定です。
今後も、当社は、2つの大型センサーに対応するデュアルフォーマット方式を採用した放送用レンズのラインアップを拡充することで、シネマライクな映像表現の世界を広げていきます。また、長年培ってきた高度な光学技術を生かして、高性能な放送用レンズやシネマカメラ用レンズ、アクセサリーを開発・提供し、多様化する映像制作現場のニーズに応えていきます。
1. 製品名、発売日、価格
製品名 | 発売日 | 価格 |
---|---|---|
放送用ズームレンズ「FUJINON HZK25-1000mm」 (愛称:「Duvo Box」) |
2023年3月23日 | オープン価格 |
- 長年培った光学技術を駆使して開発した放送用レンズ。広角25mmから世界最望遠1000mmまでの焦点距離をカバーする世界最高40倍ズームを実現します。
- レンズに内蔵されているエクスパンダーを使用することで、焦点距離を望遠側に1.5倍伸ばした37.5mm~1500mmにシフトさせることが可能。遠く離れた場所からでも被写体を意図通りの大きさで捉えることができます。
- シネマカメラで主流である、2つの大型センサーに対応したデュアルフォーマット方式を採用しました。通常はスーパー35mmセンサーに対応。さらに内蔵のエクスパンダーを使用すると、イメージサークルの大きさを1.5倍拡大できるため、35mmフルサイズ相当のセンサーを搭載したカメラにも使用できます。
- 35mmフルサイズ相当のセンサーを搭載したカメラとの組み合わせでは、優れた光学性能を最大限引き出しながら、スーパー35mmセンサーと同等の画角での撮影を可能とします。
- 高精度に研磨された大口径非球面レンズ・蛍石レンズの採用により、各種収差を徹底的に抑制。4Kを超える光学性能を発揮します。さらに、ゴーストやフレア、色にじみを抑えることで、高精細かつ自然な描写を実現します。
- 大型センサーに対応する高倍率レンズながら、広角側でF2.8の明るさを実現。屋内コンサートなど低照度環境下での撮影が可能です。
- 独自開発の光学設計アプリ「FOCUS」を用いて、ボケ味のシミュレーションを実行。アウトフォーカス部をいくつかのレイヤーに分けてボケの質感を検証し、ピント面から背景にかけて自然に溶けていくボケ味を実現しました。被写体を際立たせたシネマライクな映像表現が可能です。
- 独自開発の「セラミックボールローラー方式」を採用した防振機構を搭載。会場の振動や風による揺れに対して高い防振性能を発揮するだけでなく、揺り戻しも抑制することで、安定した映像撮影を可能とします。
- フォーカス時に生じるブリージング(画角変動)を自動的に補正する「Breathing Compensation Technology」を搭載。撮影中の被写体サイズが変わらないため、自然な映像を実現します。
- シネマカメラに装着しながらも、ズームデマンドやフォーカスデマンドを用いた放送用レンズと同じ撮影スタイルで操作が可能。すでに発売している、豊富なアクセサリーを使用できます。
- 複数台のカメラで同時に撮影を行うマルチカメラオペレーションにも対応。効率的な映像制作をサポートします。
- 映画・CMなどの制作現場で使用されるワイヤレスレンズコントローラーに接続することで、フォーカス/アイリス/ズームの遠隔操作が可能。シネマ業界で主流の撮影スタイルである、フォーカス操作専任者によるピント合わせにも対応します。
- 外観をブラックトーンで統一し、スタイリッシュなデザインを実現しています。
- 従来の箱型タイプの放送用レンズと比べ上部の取手を長く設計。重心付近で安定的に持ち上げることが可能です。さらに下部の取手を新たに採用することで、可搬性を向上させています。
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