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富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、ライフサイエンス領域の事業成長を加速させるため、創薬支援CRO※1ビジネスに本格参入します。同ビジネスの全体戦略を立案・推進する「CRO事業推進室」を2023年4月1日に新設し、新たな医薬品のシーズ探索や有効性・安全性評価などのサービスを提供。製薬企業をはじめとする顧客の創薬研究を強力にサポートしていきます。
昨今、医薬品市場では、化学合成で製造する低分子医薬品に加え、バイオテクノロジーを用いるバイオ医薬品の分野で新薬の研究開発が活発化しています。このような中、遺伝子・細胞治療薬といった新しい治療薬が登場するなど、治療手段の多様化が進んでいます。
現在、製薬企業やバイオベンチャーは、新薬開発の成功確率の向上と創薬プロセスの効率化を図るため、研究開発の初期段階から、高度な解析技術・ノウハウを有するCROと協業するケースが増えています。これに伴って、創薬支援CROビジネスのグローバル市場は年率約10%※2で成長しています。
今回、当社は、ライフサイエンス領域の事業横断的な全体戦略を推進する「ライフサイエンス戦略本部」の下に「CRO事業推進室」を新設し、創薬支援CROビジネスに本格参入します。同推進室にて創薬支援CROビジネスの全体戦略を立案。バイオ関連技術の研究開発を行う「バイオサイエンス&エンジニアリング研究所」や、高度な製造インフラおよび創薬の知見を有する富士フイルム富山化学株式会社、試薬ビジネスなどで培った強固な国内販売網を持つ富士フイルム和光純薬株式会社といった当社グループのリソースを結集させ、まずは国内において創薬支援CROビジネスを展開していきます。
具体的には、iPS細胞のリーディングカンパニーであるFUJIFILM Cellular Dynamics(フジフイルム セルラー ダイナミクス), Incが開発・製造するヒトiPS細胞由来分化細胞と、幅広い製品開発で蓄積してきたAI(人工知能)技術を組み合わせた、医薬品候補物質の有効性・安全性評価および作用機序解析のサービスを提供。ヒト生体への作用を再現し高精度に評価・解析できるという特長を生かし、マウスなどを用いた動物実験を削減したいという顧客ニーズに応えていきます。また、遺伝子治療薬などのサンプル作製や、同治療薬の分子構造の解析を受託。さらに、がんや感染症の分野を中心に培ってきた、医薬品の研究開発の知見を生かし、創薬コンサルティングも行っていきます。
富士フイルムは現在、重点事業領域の1つであるライフサイエンス領域において、低分子医薬品およびバイオ医薬品の開発・製造受託(CDMO)サービスを提供しています。今後、創薬支援CROサービスの本格展開を図り、創薬研究から生産プロセス開発、治験薬製造、商業生産までカバーするトータルサポート体制を確立することで、医薬品産業のさらなる発展に貢献していきます。
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