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ニュースリリース

2023年2月14日

自家滑膜間葉系幹細胞を用いた再生医療等製品

半月板損傷を対象とする臨床第Ⅲ相試験を国内で開始

-患者負担の少ない新たな半月板治療の確立を目指す-

このニュースリリースは、報道機関向けに発信している情報です。

富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、このたび、自家滑膜間葉系幹細胞※1を用いた再生医療等製品「FF-31501」(開発コード)の臨床第Ⅲ相試験を国内で開始しましたので、お知らせいたします。本試験は、半月板の切除術が適応となる半月板損傷を対象としたものです。
今後、当社は、「FF-31501」の実用化を加速させ、半月板を温存する新たな治療を確立することで、整形外科分野におけるアンメットメディカルニーズに応えていきます。

半月板は、膝関節のクッションの役割を担う重要な組織です。半月板損傷は、加齢やスポーツなどでの強い衝撃により、半月板が断裂することにより生じます。膝の曲げ伸ばしの時に痛みやひっかかりなどを伴い、ひどい場合には膝に水が溜まる、または、歩行困難に陥るケースもあります。
現在、半月板損傷の治療法として、小さな傷口で施術可能な関節鏡を用いて半月板を治療する縫合術と切除術があります。縫合術が適応できる断裂の部位や状態は限定的であるため、多くは切除術が行われています。しかし、切除術では、半月板が失われることで膝の軟骨への負荷が大きくなり、変形性膝関節症※2が進行するリスクが高まるといった問題があります。

年齢別半月板手術件数(国内)

[画像]年齢別半月板手術件数(国内)

半月板手術は、日本では年間約4万件実施されており、そのうち約6割が半月板の切除術である。なかでも、40代以上の患者は約8割で切除術が採用されている。

当社は、国立大学法人 東京医科歯科大学(以下TMDU)再生医療研究センター長の関矢一郎教授が開発した細胞移植技術に着目。本技術は、関節鏡を用いた低侵襲な方法により、自家滑膜間葉系幹細胞を培養した細胞懸濁液を投与するものです。投与後、同細胞が半月板損傷部に生着し治癒を促進することから、半月板の温存を可能とし変形性膝関節症のリスクを低減する新しい治療であると期待されています。すでにTMDUが実施した医師主導治験※3では、良好な結果が得られています。当社は、2019年に、本技術を用いた再生医療等製品の開発・製造・販売に関する独占的実施権をTMDUより取得しました。

今回実施※4する臨床第Ⅲ相試験は、半月板の切除術が適応となる半月板損傷の患者を対象に、関矢教授の細胞移植技術を活用した再生医療等製品「FF-31501」の有効性および安全性を検証するものです。本試験の主要評価項目には、膝の痛みや機能を判定する評価法であるリスホルムスコア※5を採用。さらに副次評価項目に、関節鏡およびMRIによる治癒状態の画像確認などを設定して、「FF-31501」を移植後52週目に、半月板の機能および構造が回復し膝の痛みが改善することを検証していきます。
なお、本試験の目標症例数は18例で、すでに第一例目の試験は東京医科歯科大学病院にて開始されています。

当社は、今後「FF-31501」の実用化を推進し、半月板の温存を可能とする新たな治療法の確立を目指します。また、診断領域で提供している、3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT(シナプス ヴィンセント)※6」の膝関節解析ソフトウェアなどもあわせた、膝疾患向けソリューションの展開を図り、人々の健康維持増進に貢献していきます。

  • ※1 患者自身の滑膜組織から採取した間葉系幹細胞。間葉系幹細胞は、生体内に存在し、一定の分化能/増殖能を有する細胞。
  • ※2 関節軟骨の摩耗を特長とする疾患で、国内では2,000万人超の患者がいると推定されている。
  • ※3 「自家滑膜幹細胞の半月板損傷を対象とする医師主導治験」(UMIN000026383)
  • ※4 臨床試験の実施は富士フイルム富山化学株式会社に、治験製品の製造は公益財団法人 神戸医療産業都市推進機構に委託。
  • ※5 膝の痛みや不安定性、ひっかかりなど複数の項目について点数化する評価法。
  • ※6 SYNAPSE VINCENTは以下の医療機器を指す。
    販売名:富士画像診断ワークステーション FN-7941 型、認証番号:22000BZX00238000

「FF-31501」に応用している細胞移植技術

小さな傷口で施術可能な関節鏡を用いた低侵襲な方法により、自家滑膜間葉系幹細胞を培養した細胞懸濁液を投与する技術で、TMDU 関矢教授が開発したものです。TMDUと当社は、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)の研究開発課題※7として、本技術による半月板損傷治療に関する共同研究を実施。さらに、AMEDの支援※8のもと、TMDUが本技術を用いた再生医療等製品の医師主導治験を実施するなど、実用化に向けた取り組みを進めてきました。
TMDU 関矢教授が実施した医師主導治験では、半月板の切除術を勧められた半月板損傷患者に対して、自家滑膜間葉系幹細胞の移植が実施され、主要評価項目であるリスホルムスコアにおいて良好な結果が得られました。

  • ※7 AMEDの再生医療実用化研究事業の研究開発課題「滑膜幹細胞による変形性膝関節症(軟骨・半月板)の再生医療の実用化」(支援期間:2015~2017年度)
  • ※8 AMEDの再生医療実用化研究事業の研究開発課題「自家滑膜幹細胞の半月板損傷を対象とする医師主導治験」(支援期間:2018~2019年度)

「FF-31501」による治療法

[画像]「FF-31501」による治療法

お問い合わせ

報道関係

富士フイルムホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション部 広報グループ

臨床試験関連

富士フイルム株式会社
ライフサイエンス事業部

治療法関連

東京医科歯科大学
統合研究機構 再生医療研究センター
関矢 一郎

  • * 記事の内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合(生産・販売の終了、仕様・価格の変更、組織・連絡先変更等)がありますのでご了承ください。