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富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、このたび、バイオ医薬品CDMO※1の中核会社FUJIFILM Diosynth Biotechnologies(フジフイルム ダイオシンス バイオテクノロジーズ)(以下FDB)の新拠点である米国ボストン拠点にて、遺伝子治療薬のプロセス開発の受託サービスを開始しました。FDBの米国テキサス・英国拠点に続き、米国ボストン拠点でも遺伝子治療薬の受託ビジネスを展開することで、最先端治療分野の顧客ニーズに応え、バイオCDMO事業の成長を加速させていきます。
遺伝子治療薬は、疾患の原因となる遺伝子を持つ患者に、ウイルス※2などを利用して外部から正常な遺伝子を導入することで疾患を治療するバイオ医薬品です。遺伝子治療薬の製造には、複数の遺伝子を細胞に導入する高度なバイオテクノロジーやウイルスの封じ込め技術・設備などが求められ、また製造に最適なプロセスの開発も必要であることから、優れた技術・設備を有するCDMOへの委託ニーズが高まっており、受託ビジネスの需要も急伸しています。
当社は、2014年に、FDBの米国テキサス拠点で遺伝子治療薬のプロセス開発・製造受託ビジネスを開始しました。2021年には、英国拠点でも遺伝子治療薬のプロセス開発・製造施設を設立し、同治療薬の受託ビジネスの展開エリアを欧州市場に拡大。さらに、第3の遺伝子治療薬CDMO拠点として米国ボストン拠点を新設し、プロセス開発設備を本年3月に完成させました。
このたび、当社は、FDBの米国ボストン拠点にて、遺伝子治療薬のプロセス開発の受託サービスを開始しました。さらに、2024年には米国ボストン拠点内で原薬製造設備も稼働させ、遺伝子治療薬のプロセス開発から原薬製造まで一貫した受託サービス体制を構築予定であり、同治療薬の受託ビジネスの早期拡大を図っていきます。なお、原薬製造設備が稼働するまでは、米国テキサス拠点にて原薬製造を行うことで、顧客の新薬開発をサポートしていきます。
当社は、バイオCDMO事業の更なる拡大に向けて、抗体医薬品や遺伝子組換えタンパク医薬品、遺伝子治療薬の分野で高効率・高生産性の技術開発や能力増強に向けた設備投資を積極的に推進しています。さらに、遺伝子治療薬と並ぶ最先端医療である細胞治療薬の分野でも、本年4月に米国バイオベンチャーAtara Biotherapeutics(アタラ バイオセラピューティクス), Inc.の製造拠点を買収し、FDBの米国カリフォルニア拠点として始動させるなど受託体制の整備を進めています。
今後、当社は、幅広いバイオ医薬品を対象に、生産プロセスの開発受託、少量生産から大量生産、原薬から製剤・包装までの製造受託に対応できる強みを生かし、事業成長を加速させるとともに、高品質なバイオ医薬品の安定供給を通じて顧客をサポートすることで、アンメットメディカルニーズへの対応などの社会課題の解決、ヘルスケア産業のさらなる発展に貢献していきます。
(参考)FUJIFILM Diosynth Biotechnologies概要
FUJIFILM Diosynth Biotechnologies(FDB)は、英国・米国・デンマークに拠点を有し、抗体医薬品や遺伝子組換えタンパク医薬品、遺伝子治療薬、細胞治療薬、ワクチンなどあらゆる種類のバイオ医薬品の開発・製造受託を行っています。30年以上にわたる実績・経験を持ち、業界をリードする独自の高生産性技術「pAVEway™」「Apollo™X」を活用した細胞株開発からプロセス開発、治験薬製造、商業生産まで包括的な受託サービスを提供しています。
FDBは、英国のFUJIFILM Diosynth Biotechnologies UK Limited(FDBK)、米国のFUJIFILM Diosynth Biotechnologies U.S.A., Inc.(FDBU)、FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Texas, LLC(FDBT)*、FUJIFILM Diosynth Biotechnologies California, Inc.(FDBC)、デンマークのFUJIFILM Diosynth Biotechnologies Denmark ApS(FDBD)で構成されており、FDBKとFDBUは三菱商事株式会社より20%の出資を受けています。
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