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富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、米国バイオベンチャーAtara Biotherapeutics(アタラ バイオセラピューティクス), Inc.(米国カリフォルニア州、以下Atara社)の細胞治療薬製造拠点の買収手続きを、4月4日(米国太平洋標準時)に完了したことをお知らせいたします。なお、本買収に要した資金は、約100百万米ドルです。
当社は、今回の買収完了に伴い、本製造拠点を、バイオ医薬品CDMO※1の中核会社であるFUJIFILM Diosynth Biotechnologies(フジフイルム ダイオシンス バイオテクノロジーズ)(以下FDB)のカリフォルニア拠点として始動させました。今後、遺伝子改変細胞治療薬※2をはじめとする細胞治療薬の受託ビジネスを本格的に展開し、バイオ医薬品の開発・製造受託事業のさらなる拡大を図っていきます。
現在、最先端の治療分野では、外部から正常な遺伝子を導入することで疾患を治療する遺伝子治療薬に加え、細胞そのものを投与して疾患を治療する細胞治療薬が注目されています。なかでも、CAR-T細胞治療薬※3など、遺伝子改変細胞を用いた治療薬の研究開発が活発に進んでいます。
今回、当社は、最新鋭のGMP※4設備や高度な人材、生産ノウハウ・実績を有する、Atara社の細胞治療薬製造拠点の買収を通じて、遺伝子改変細胞治療薬などの細胞治療薬のプロセス開発から治験薬製造・商業生産まで一貫した受託サービスを提供する体制を構築しました。また、本買収と同時にAtara社パイプラインの受託ビジネスも獲得し、収益基盤の更なる強化を実現しています。
今後、当社は、FDBのカリフォルニア拠点を中核に、顧客の幅広い細胞ニーズに対応した細胞治療薬の開発・製造受託サービスを推進していきます。また、米国テキサス・ボストン拠点および英国拠点で強化している、遺伝子治療薬の受託サービスもあわせて、最先端治療分野での受託ビジネスをさらに拡大していきます。
当社は、抗体医薬品やタンパク製剤、ワクチンなど幅広いバイオ医薬品の生産プロセスの開発受託、少量生産から大量生産、原薬から製剤・包装までの製造受託に対応できる強みを有しています。これらの強みを生かして事業成長を加速させるとともに、高品質なバイオ医薬品の安定供給を通じて顧客をサポートし、アンメットメディカルニーズへの対応など社会課題の解決、ヘルスケア産業のさらなる発展に貢献していきます。
- 会社名
FUJIFILM Diosynth Biotechnologies California, Inc.
- 所在地
米国カリフォルニア州・サウザンドオークス
- 生産品目
細胞治療薬
- 敷地面積
約8,400m2
- 従業員数
134名
FUJIFILM Diosynth Biotechnologies(FDB)は、英国・米国・デンマークに拠点を有し、抗体医薬品やホルモン製剤、遺伝子治療薬、ワクチンなどあらゆる種類のバイオ医薬品の開発・製造受託を行っています。30年以上にわたる実績・経験を持ち、業界をリードする独自の高生産性技術「pAVEway™」「Apollo™X」を活用した細胞株開発からプロセス開発、治験薬製造、商業生産まで包括的な受託サービスを提供しています。
FDBは、英国のFUJIFILM Diosynth Biotechnologies UK Limited(FDBK)、米国のFUJIFILM Diosynth Biotechnologies U.S.A., Inc.(FDBU)とFUJIFILM Diosynth Biotechnologies Texas, LLC(FDBT)*、デンマークのFUJIFILM Diosynth Biotechnologies Denmark ApSで構成されており、FDBKとFDBUは三菱商事株式会社より20%の出資を受けています。
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