水性顔料インクジェットインク用色材の生産工場を米国で増設

富士フイルム株式会社（本社：東京都港区、代表取締役社長・CEO：後藤 禎一）は、染料および顔料を用いた水性インクジェットインク製品を製造する米国子会社のFUJIFILM Imaging Colorants Inc.（米国デラウェア州ニューキャッスル、以下、米国FFIC）に約30億円の投資を行い、水性顔料インクジェットインク用色材である顔料分散液の生産工場を増設します。2022年3月に着工し、2023年夏に稼働開始予定です。

米国FFICでは、昨年3月に着工し、約20億円を投資した顔料分散液の製造設備が今春から稼働する予定ですが、今後の需要拡大をにらみ、今回新たな投資を決定しました。今回の投資により、米国での顔料分散液の生産能力を倍増させ、グローバルで急速に伸長するインクジェット印刷需要に対応します。

インクジェットは、短納期で、多品種・少量生産、一枚毎に異なる印刷ができるバリアブル印刷が可能なため、商業・出版印刷分野に加え、産業分野にも用途が拡大しています。なかでも昨今、環境負荷が低く、食品用途での安全性に長ける水性顔料インクジェットインクを活用したいというニーズが世界中で高まっています。

富士フイルムの顔料分散液は、顔料粒子に吸着する分散剤同士を化学結合させ架橋構造を形成する独自の「RxD（アールエックスディー）（Reactive Dispersant）」技術を用いることで、分散剤が顔料から脱離しにくく、安定性の高い顔料分散を実現しています。これにより、溶剤や機能性材料などが加わってもその影響を受けずに顔料分散の安定性が維持されるため、インク製造時に組み合わせる材料の選択肢の幅が大きく広がり、様々な分野のインク製造を可能とします。富士フイルムは、このRxD技術を用いた顔料分散液を自社インクの製造に用いるだけでなく、世界中のインクメーカーにも供給しており、これまでに多くの水性顔料インクジェットインクに採用されています。

当社は、インクジェットのグローバルでの市場ニーズに合わせ、米国FFICの供給能力を増強することで、インクジェット事業の成長を一段と加速させていきます。

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