このニュースリリースは、報道機関向けに発信している情報です。
富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の中和活性※1と高い相関性を示す血液中のIgG抗体※2価を測定する富士フイルム和光純薬の研究用試薬と、指先から自己採血した微量な血液を用いた抗体測定を可能にする技術を開発しました。
このたび、本技術を、自己採血による郵送血液検査サービスを国内で展開する株式会社リージャー(本社:東京都中央区、代表取締役社長:笹原 敬久、以下リージャー社)に提供する契約を締結いたしました。本技術を活用したリージャー社の「新型コロナウイルス抗体セルフチェックサービス」が、2022年2月8日よりスタートします。
新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るう中、富士フイルムと富士フイルム和光純薬は、新型コロナウイルス感染症の検査に向けたさまざまな技術・製品の開発に取り組んできました。2020年に開始した藤田医科大学、国立感染症研究所との共同研究※3では、新型コロナウイルスの中和活性と高い相関性を示す血液中のIgG抗体を特定。富士フイルム和光純薬がIgG抗体を特異的に検出する試薬の開発に取り組み、同年10月にELISA(イライザ)法※4を用いた研究用試薬※5を、2021年7月には自動化学発光酵素免疫分析装置「Accuraseed®(アキュラシード)」用の研究用試薬※6を発売しました。また、当社は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が実施するウイルス等感染症対策技術開発事業の助成を受け、大規模検査に対応可能な、簡便で正確な新型コロナウイルスに対する免疫獲得状況の検査システムの実現に向けた研究※7を進めてきました。その成果として、自己採血した微量な血液と、富士フイルム和光純薬の研究用試薬を用いた新型コロナウイルスの抗体測定技術を開発しました。本技術とリージャー社の自己採血による郵送血液検査サービスのノウハウを組み合わせることで、今回、リージャー社が新たに提供する「新型コロナウイルス抗体セルフチェックサービス」が実現しました。
日本では新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進み、感染対策を講じながら社会経済活動を活性化させていく取り組みが進んでいます。今後もオミクロン株のような新規変異株の出現を念頭に置き、その病原性や感染性、またワクチンの効果を注視し、感染対策と社会経済活動の両輪を回していくことが重要とされています。こうした流れの中で、新型コロナウイルス抗体価の測定を任意で、簡便に行うニーズが高まっていくと予想され、当社は、そのようなニーズに適した自己採血による血液を使った新型コロナウイルス抗体価測定サービスが有用であると考えています。
富士フイルムグループは、新型コロナウイルス感染症の拡大の抑止や社会経済活動の活性化に貢献していきます。
リージャー社の「新型コロナウイルス抗体セルフチェックサービス」の概要
本サービスは、企業や各種団体、個人向けに2022年2月8日より開始されます。
本サービスの利用を希望する企業や個人は、リージャー社の代理店より本サービスを購入します。利用者は、自宅などで採血キットを用いて指先から微量の血液を自身で採取し、採取した血液サンプルをリージャー社の検査センターに郵送します。検査センターに届いた血液サンプルは、富士フイルム和光純薬の新型コロナウイルス抗体測定試薬を用いてIgG抗体価が測定されます。検査センターに血液サンプルが到着後約1週間で、結果が利用者にメールと報告書で通知されます。報告時には抗体価だけでなく、藤田医科大学が3,000名超を対象に実施した新型コロナウイルス感染症のワクチン接種後の免疫獲得状況に関する研究※3結果と比較して、利用者の抗体価がどの程度の水準にあるかを示す結果も参照できます。
なお、富士フイルムメディカル株式会社も、リージャー社の本サービスの販売を2022年2月8日より開始いたします。
採血キット
お問い合わせ
報道関係
富士フイルムホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション部 広報グループ
本技術に関するお問い合わせ
富士フイルム株式会社
メディカルシステム事業部