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富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、バイオ医薬品の需要増などに対応するため、細胞培養に必要な培地の新工場を本日より稼働させます。新工場は、当社欧州拠点のFUJIFILM Manufacturing Europe B.V.(オランダ)に投資して建設したもので、cGMP※1に準拠した最新鋭工場です。
当社は、新工場稼働を通じて、培地の生産能力を増強するとともに、日米欧3拠点のグローバル生産体制を確立し、顧客の創薬・医薬品製造をより強力にサポートしていきます。
培地は、細胞の生育・増殖のための栄養分を含む液状または粉末状の物質で、バイオ医薬品や再生医療製品などの研究開発・製造における細胞培養に必要不可欠なものです。現在、抗体医薬品・ワクチンなどのバイオ医薬品の需要増や、細胞を用いた治療法の拡大に伴い、培地市場は年率10%以上※2の成長が見込まれています。
当社は、グループ会社のFUJIFILM Irvine Scientific, Inc.や富士フイルム和光純薬を通じて、培地ビジネスをグローバルに展開しています。現在、高い研究開発力や優れた品質管理力、日本・米国に有する、cGMP準拠の生産拠点を活用して、顧客が求める高品質・高機能な培地を開発・提供。さらに、需要が急伸する中国市場において培地のカスタマイズサービスを提供する拠点「Innovation & Collaboration Center」の開設を発表するなど、製品の開発強化とグローバル展開を進めています。
今回稼働させる新工場は、日本・米国の生産拠点と同様、cGMPに準拠した、培地の最新鋭工場です。新工場は、動物由来成分を含まないカスタム培地など高品質・高機能な培地を生産することが可能。北米に次ぐバイオ医薬品製造企業の集積地である欧州の培地需要に応えていきます。さらに、培地のみならず、バッファー※3や滅菌注射用水※4も生産し、顧客の創薬・医薬品製造に必要な製品の充実と迅速提供を図ります。
今後、当社は、日米欧3拠点のグローバル生産体制の下で培地ビジネスを展開し、顧客の創薬・医薬品製造をより強力にサポートしていきます。
新工場を稼働させる欧州拠点は、再生可能エネルギー※5の1つである風力発電由来の電力により、使用電力のすべてを賄っています。また、蒸気生成のために一部用いる天然ガスの使用削減に向けて、新工場では風力発電由来の電力で加熱し蒸気を生成する電気ボイラーを導入予定。既存工場でも削減施策を実施し、カーボンニュートラルの実現を目指します。
当社は、グループの技術・ノウハウを結集して高品質・高機能培地を開発し、幅広く提供することで、グローバル展開を加速させていきます。また、培地のみならず、iPS細胞由来の創薬支援用細胞や研究用試薬も含めた幅広いラインアップと総合提案力で、ライフサイエンス事業を拡大するとともに、医薬品産業の更なる発展や再生医療の産業化に貢献していきます。
所在地 | FUJIFILM Manufacturing Europe B.V. (Industrieterrein Vossenberg, Oudenstaart 1, 5047 TK Tilburg, The Netherlands) |
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総投資金額 | 約30億円 |
生産品目 | バイオ医薬品や再生医療製品の研究開発・製造用途の培地など |
生産能力 | 粉体培地: 約320,000kg/年、液体培地: 約470,000ℓ/年 |
延床面積 | 13,500m2 |
稼働開始日 | 2021年12月8日 |
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富士フイルムホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション部 広報グループ