富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、半導体材料事業をさらに拡大するため、熊本県菊陽町に立地する生産拠点に先端半導体材料であるCMPスラリー*1の生産設備を増強します。CMPスラリーの生産能力を強化することで、AI向け半導体の需要拡大に伴うアジアでの需要増に対応します。なお、本設備は、2025年1月の稼働を予定しています。
5G/6Gによる通信の高速・大容量化、自動運転の拡大、AIやメタバースの普及などにより、半導体のさらなる需要拡大と高性能化が見込まれています。このような中、半導体製造プロセスで使用する半導体材料では、より高品質・高性能な製品をグローバルで安定的に供給することがますます重要となっています。
CMPスラリーは、硬さの異なる配線や絶縁膜が混在する半導体表面を均一に平坦化する研磨剤で、年率13%*2の高い成長性が見込まれています。当社は、先端半導体の製造工程に必要な銅配線用CMPスラリーにおいて世界でトップシェア*3を有しており、安定供給と品質に対する高い顧客要求にこたえるために銅配線用をはじめとするCMPスラリーの現地生産化を進めています。米国アリゾナ州、台湾の新竹市および台南市、そして韓国天安市にCMPスラリーの生産拠点を有しているほか、2024年1月より熊本拠点においてCMPスラリーの生産を開始しました。
今回、AI向け半導体の需要拡大に伴うアジアでのCMPスラリーの需要増に対応するために、半導体材料事業の中核会社である富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:小林 茂樹)が、約20億円を投じ熊本拠点に、銅配線用を含めたCMPスラリーの生産設備を増強します。本設備投資により同拠点のCMPスラリーの生産能力を約3割拡大します。
当社は、半導体製造の研磨工程で使われる材料として、CMPスラリーのほか、ポストCMPクリーナー*4を提供しています。連続する工程で使用される2つの材料を組み合わせて提案できる強みを生かして顧客が抱える課題を解決し、半導体のさらなる性能向上に寄与していきます。
当社は、フォトレジスト*5やフォトリソ周辺材料*6、CMPスラリー、ポストCMPクリーナー、薄膜形成材*7、ポリイミド*8、高純度プロセスケミカル*9など半導体製造の前工程から後工程までのプロセス材料や、イメージセンサー用カラーフィルター材料をはじめとした Wave Control Mosaic(ウエイブコントロールモザイク)™*10などをグローバルに展開。最先端からレガシーノードまで半導体製造プロセスのほぼ全域をカバーする豊富な製品ラインアップに加え、日米欧アジアの主要国に製造拠点を有するグローバルな安定供給体制や高い研究開発力を生かしたワンストップソリューションの提供により、顧客の課題解決に取り組み、半導体産業の発展に貢献していきます。
- 1. 場所
熊本県菊池郡菊陽町(富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング株式会社 九州の工場内)
- 2. 総投資金額
約20億円
- 3. 投資内容
CMPスラリーの生産設備
- 4. 稼働開始時期
2025年1月
お問い合わせ
富士フイルムホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション部 広報グループ
富士フイルム株式会社
エレクトロ二クスマテリアルズ事業部