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2024年10月29日

紫外線の最長波UVAがシミ・くすみを引き起こす一因であることを解明

シミ・くすみ関連因子の発現を「オオバナサルスベリ葉エキス」が有意に抑制する効果を発見

富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤禎一)は、紫外線の中で最も長い波長をもつ最長波UVAがシミ・くすみを引き起こす一因であることを解明しました。また、血糖値のコントロールに効果があるとされる生薬成分「オオバナサルスベリ葉エキス」に、最長波UVAが皮膚に当たることにより皮膚中で増加するシミ・くすみ関連因子「GDF-15」の発現を有意に抑制する効果を発見しました。今後、これらの研究成果を化粧品の開発に応用していきます。

研究背景

地表に届く紫外線は、波長の長さによってUVA(A波紫外線、波長:320~400nm)とUVB(B波紫外線、波長:280~320nm)に分類されます。紫外線によって生じるさまざまな肌トラブルのうち、シワ・たるみは主にUVAによって引き起こされ、シミ・くすみは主にUVBによって引き起こされることが広く知られています。しかし近年、シミ・くすみは、UVBだけでなく、UVAによっても引き起こされるという考え方に注目が集まっています。一方で、UVAがシミ・くすみを引き起こすメカニズムは詳細には明らかになっていませんでした。
当社はこれまでに、UVAの中でも肌内部の角層や表皮層、さらに表皮層の奥にある真皮層に影響を及ぼすシワ・たるみを引き起こす「最長波UVA」に着目した研究を行ってきました。今回、当社は、UVAを波長の長さに応じて、短波UVA(波長:320~370nm)と最長波UVA(波長:370~400nm)に細分して、それぞれが皮膚に与える影響を検証。最長波UVAがシミ・くすみを引き起こすメカニズムを解明するための研究を行いました。

今回の研究成果の詳細

1. 最長波UVAがシミ・くすみを引き起こす一因であることを解明

最長波UVAが真皮層においてシミ・くすみを引き起こすことを、線維芽細胞とヒト皮膚を用いて検証しました。最長波UVAと短波UVAを線維芽細胞にそれぞれ照射し、シミ・くすみの原因となるメラニンの生成に関わる複数のシミ・くすみ関連因子の発現の違いを解析し、最長波UVAによって「GDF-15」が増加することを発見(実験①)。さらに最長波UVAによって発現が大きく増加した「GDF-15」を、ヒト皮膚に添加し、同ヒト皮膚で産生されるメラニン量を計測しました(実験②)。その結果、「GDF-15」を添加したヒト皮膚においてメラニン産生量が増加することを確認し、最長波UVAがシミ・くすみを引き起こす一因であることを解明しました。

(図1)最長波UVAがシミ・くすみを引き起こすメカニズムのイメージ

最長波UVAにより増加した「GDF-15」が、メラニンの産生を増加させる。

実験①:最長波UVA・短波UVAによる「GDF-15」の発現を確認する実験

最長波UVAと短波UVAをそれぞれ照射できる機器を新たに作製。同機器を用いて、最長波UVAと短波UVAを線維芽細胞にそれぞれ照射し、「GDF-15」の発現量を解析しました。その結果、最長波UVAを照射した線維芽細胞におけるシミ・くすみ関連因子「GDF-15」の発現量が短波UVAを照射した線維芽細胞と比べて有意に増加し、約3倍となったことを確認しました(図2右)。

(図2)最長波UVA・短波UVAを照射した線維芽細胞における「GDF-15」遺伝子の発現量
最長波UVA・短波UVAによる「GDF-15」の発現を確認する実験方法
最長波UVA・短波UVAによる「GDF-15」の発現を確認する実験結果のグラフ
実験方法

最長波UVA(中心波長:390nm)と短波UVA(中心波長:340nm)をそれぞれ16.7J/cm2の照射量で線維芽細胞に照射した。線維芽細胞を24時間培養した後、「GDF-15」の発現量を測定。UVAを照射しなかった線維芽細胞における「GDF-15」の発現量を1.0とし、各照射群の遺伝子発現量を相対値で示した。

実験②:「GDF-15」が皮膚中のメラニン産生量を増加させることを確認する実験

シミ・くすみ関連因「GDF-15」が、皮膚中でメラニンの産生量を増加させることを確認するため、「GDF-15」を含む培地で8日間培養したヒト皮膚中のメラニンと、「GDF-15」を含まない培地で同期間培養したヒト皮膚中のメラニンを、それぞれ観察しました。その結果、「GDF-15」を含む培地中で培養したヒト皮膚において、「GDF-15」を含まない培地で培養したヒト摘出皮膚と比べて、メラニン密度が約3倍に増加したことを確認しました(図3)。

(図3)GDF-15によるヒト摘出皮膚断面中のメラニン

GDF-15を含む培地中で培養した皮膚内部ではより多くのメラニン(矢印部)が確認された。

GDF-15を含まない培地で培養したヒト皮膚

GDF-15を含む培地で培養したヒト皮膚

実験方法

「GDF-15」を含む培地と「GDF-15」を含まない培地でそれぞれ8日間ヒト皮膚を培養した。さらに両皮膚中のメラニン産生量を調べるため、黒色に染色したメラニンを顕微鏡で観察。さらに観察した画像を、画像解析ソフトを用いてメラニンの面積と皮膚の面積を測量し、皮膚の面積当たりのメラニン密度を算出した。

結果

「GDF-15」を含む培地中で培養したヒト摘出皮膚では、「GDF-15」を含まない培地で培養した皮膚モデルと比べて、メラニン密度が約3倍に増加した。

「GDF-15」が皮膚中のメラニン産生量を増加させることを確認する実験結果のグラフ

2. オオバナサルスベリ葉エキスに、「GDF-15」の発現を有意に抑制する効果があることを発見

「GDF-15」の発現を抑制する作用をもつ成分を探索する中で、約100種類の成分の中から、生薬成分のオオバナサルスベリ葉エキスを見出しました。オオバナサルスベリ葉エキスを添加した線維芽細胞にて、「GDF-15」の発現量が、オオバナサルスベリ葉エキス未添加の同細胞と比べて約40%減少したことを確認(図4)。オオバナサルスベリ葉エキスに、「GDF-15」の発現を有意に抑制する効果があることを発見しました。

(図4)オオバナサルスベリ葉エキスによる「GDF-15」発現量への影響

実験方法

線維芽細胞にオオバナサルスベリ葉エキスを添加した。24時間培養した後、「GDF-15」の発現量を測定した。オオバナサルスベリ葉エキス未添加の同細胞における「GDF-15」の発現量を1.0とし、オオバナサルスベリ葉エキスを添加した同細胞における「GDF-15」の発現量を相対値で示した。

結果

オオバナサルスベリ葉エキスを添加した線維芽細胞において、オオバナサルスベリ葉エキス未添加の同細胞と比べて、「GDF-15」の発現量が約40%減少した。

オオバナサルスベリ葉エキスによる「GDF-15」発現量を確認する実験結果のグラフ

当社は、2024年11月18日より神戸国際会議場(兵庫県・神戸市)で開催される「第2回化粧品技術者会学術大会」で今回の研究成果を発表いたします。

お問い合わせ

株式会社 富士フイルム ヘルスケア ラボラトリー
化粧品事業部 マーケティング統括部

  • * 記事の内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合(生産・販売の終了、仕様・価格の変更、組織・連絡先変更等)がありますのでご了承ください。