富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、シネマライクな映像表現と放送用レンズの操作性を両立した放送用ズームレンズ「Duvoシリーズ」から、同シリーズ3本目で初の広角ズームレンズとなる「FUJINON HZK14-100mm」(愛称「Duvo Portable」)を9月下旬より発売します。
「FUJINON HZK14-100mm」は、2つの大型センサー*1に対応するデュアルフォーマット方式を採用したレンズです。広角14mmから中望遠100mmまでカバーしつつ、「Duvoシリーズ」最小・最軽量となる全長266.9mm・2.54kgを実現し、高い機動性を発揮します。
現在、放送業界では、ボケ味やハイダイナミックレンジを生かした没入感のある映像を表現するために、シネマ業界で採用されている大型センサーを搭載したカメラによる撮影が増えています。そうした撮影に使用されるレンズは、大型センサー対応のシネマカメラ用レンズが主流ですが、映画やCMなどの撮影用途に最適化されているため、放送用レンズと比べてズーム倍率が限られています。また、フォーカス操作専門の人員も必要であることなど、放送業界での撮影と異なるオペレーションが生じます。
そこで当社は、2つの大型センサーに対応するデュアルフォーマット方式を採用し、シネマライクな映像表現と放送用レンズの操作性を両立した放送用ズームレンズ「Duvoシリーズ」を展開。昨年3月に箱型タイプの「FUJINON HZK25-1000mm」、今年3月にポータブルタイプの標準ズームレンズ「FUJINON HZK24-300mm」を発売しました。新たにポータブルタイプの広角ズームレンズ「FUJINON HZK14-100mm」をラインアップに加えることで、広角側の焦点距離をカバーするとともに、同シリーズで利用できる焦点距離の範囲を広角14から望遠1000mmに拡大します。
広角ズームレンズはステディカム*2やクレーンと組み合わせて使われることが多く、全長266.9mm・2.54kgと小型・軽量な「FUJINON HZK14-100mm」は、音楽ライブのステージ全体を俯瞰した撮影や、スポーツ会場でアスリートに近づいた臨場感ある撮影など、さまざまなジャンルで、浅い被写界深度によるボケ味を生かしたシネマライクな映像表現を実現します。
今後も、当社は長年培ってきた高度な光学技術を生かして、高性能な放送用レンズやシネマカメラ用レンズ、アクセサリーを開発・提供し、多様化する映像制作現場のニーズに応えていきます。
記
1. 製品名、発売日、価格
製品名 | 発売日 | 価格 |
---|---|---|
放送用ズームレンズ「FUJINON HZK14-100mm」 (愛称:「Duvo Portable」) |
2024月9月下旬 | オープン価格 |
2. 主な特長
(1)幅広い焦点距離をカバーしつつ、小型・軽量を実現
- 広角14mmから中望遠100mmまでを1本でカバーする7.1倍ズームと、全長266.9mm・2.54kgの小型・軽量を両立し、高い機動性を発揮します。
- レンズに内蔵されているエクスパンダー*3を使用することで、焦点距離を望遠側に1.5倍伸ばした21mm~150mmにシフトさせることが可能。遠く離れた場所からでも被写体を意図どおりの大きさでとらえることができます。
- 最至近撮影距離0.6m(レンズ前玉から0.28m)を実現し、印象的なクローズアップ撮影が可能です。
(2)2つの大型センサーに対応したデュアルフォーマット方式を採用
- 通常はスーパー35mmセンサーに対応。内蔵のエクスパンダーを使用すると、イメージサークルの大きさを1.5倍拡大できるため、スーパー35mmセンサーよりもさらに大きい35mmフルサイズ相当のセンサーを搭載したカメラにも使用可能*4。
- 35mmフルサイズ相当のセンサーを搭載したカメラとの組み合わせでは、優れた光学性能を最大限引き出しながら、スーパー35mmセンサーと同等の画角での撮影を可能とします。
(3)美しいボケ味を生かしたシネマライクな映像表現が可能
- 高精度に研磨された大口径非球面レンズ・スーパーEDレンズの採用により、各種収差を徹底的に抑制。8K相当の光学性能を発揮します。さらに、ゴーストやフレア、色にじみを抑えることで、高精細かつ自然な描写を実現します。
- 大型センサーに対応する高倍率レンズながら、広角端14mmから75mmまでT2.9の明るさを実現。屋内コンサートなど低照度環境下での撮影でも設定に自由度を持たせることが可能です。
- アウトフォーカス部をいくつかのレイヤーに分けてボケの質感を調整することで、ピント面から背景にかけて自然に溶けていくボケ味を実現。被写体を際立たせたシネマライクな映像表現が可能です。
(4)各種アクセサリーを用いた操作に対応
- ポータブルタイプの放送用ズームレンズと同じドライブユニットを搭載。ズームデマンドやフォーカスデマンドを用いた、放送用レンズと同じ撮影スタイルで操作ができます。
- 複数台のカメラで同時に撮影を行うマルチカメラオペレーションにも対応。効率的な映像制作をサポートします。
- 映画・CMなどの制作現場で使用されるワイヤレスレンズコントローラーに接続することで、フォーカス/アイリス/ズームの遠隔操作が可能。シネマ業界で主流の撮影スタイルである、フォーカス操作専任者によるピント合わせにも対応します。
- フォーカスリングのギアピッチ*5は0.8M(モジュール)を採用。フォローフォーカスや外付けモーターなど、映像制作における標準的な周辺アクセサリーの使用が可能です。
- 前枠径が114mmであるため、同梱しているレンズフードに加え、映画・CM撮影で多く使われているマットボックス*6も使用できます。
(5)快適な撮影・編集をサポートする機能を搭載
- フォーカス時に生じるブリージング(画角変動)を自動的に補正する「Breathing Compensation Technology」を搭載。撮影中の被写体サイズが変わらないため、自然な映像を実現します。
- カメラやロボティックのコントロールパネルを通じてリモートでフランジバック*7を調整する「Remote Back Focus(RBF)」を搭載。スタジオや中継車などの大きなモニターを見ながら精度の高いバックフォーカス調整を実現します。
- カールツァイス社が/i® Technology*8に準拠して開発した「ZEISS eXtended Data(ツァイス・エクステンデッド・データ)」に対応。撮影時のレンズメタデータを外部出力できるため、撮影後の編集作業を効率化します。
ニュース用画像データ
ZIP: 23.2MB
お問い合わせ
報道関係
富士フイルムホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション部 広報グループ
お客さま
富士フイルムイメージングシステムズ株式会社
コンシューマー事業推進本部 オプティカル事業部