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富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一、以下、富士フイルム)とアストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:堀井 貴史、以下、アストラゼネカ)は、切除不能なステージIII非小細胞肺がん(Non-small cell lung cancer、以下、NSCLC)に対する化学放射線療法(Chemoradiotherapy、以下、CRT)の過去症例を検索できる医療情報システム(以下、本システム)を共同で開発しました。
また、富士フイルムは、本システムの検索機能を3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT(シナプス ヴィンセント)」※1の新バージョン「SYNAPSE VINCENT Ver7.0」にオプション機能として搭載しました。富士フイルムのグループ会社である富士フイルムメディカル株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:川原 芳博)を通じて4月10日より「SYNAPSE VINCENT Ver7.0」の提供を開始します。
CRTは、がんの治療法の一つで、放射線療法と化学療法を同時に組み合わせる治療法です。肺癌診療ガイドラインにおいて、全身状態が良好な場合の切除不能なステージIII NSCLCの治療法として、根治を目的としたCRTが推奨されています※2。近年の放射線治療の高度化や免疫チェックポイント阻害薬の登場による治療法の進展に伴い、切除不能なステージIII NSCLC患者さんにとってCRTの重要性がますます高まっています。しかし、放射線治療計画の作成は、ステージIII NSCLCの腫瘍の大きさとリンパ節転移の位置のパターンが多岐にわたること、また、放射線の影響による肺臓炎などの有害事象を引き起こさないようにする必要があることから難しく、医療現場の負担となっていました。
今回、富士フイルムとアストラゼネカが共同で開発した本システムは、両社が2021年より共同で開発を進めてきた医療情報システムで、切除不能なステージIII NSCLCに対するCRTの過去症例の検索に加え、放射線治療計画の表示が可能です。アストラゼネカが14の医療機関からNSCLCに対してCRTが適用された約1900症例の放射線治療計画の情報を収集し、富士フイルムがその情報のデータベース化および検索機能の開発を行いました。
本システムは、医師がCT画像を入力し腫瘍の位置や検索条件を指定すると、データベースから腫瘍の中心の相対位置が近い過去症例を検索し、医師が参照したい症例の放射線治療計画の情報を表示して、医師による放射線治療計画の作成をサポートします。
富士フイルムとアストラゼネカは、本システムの提供を通じて、患者さんに対する治療の最適化につなげ、一人でも多くの患者さんの予後改善に貢献することを目指します。
世界で肺がんと診断される患者さんは年間248万人と推定されています※3。肺がんは男女ともにがん死亡の主な原因であり、がん死亡の約5分の1を占めています※3。肺がんはNSCLCと小細胞肺がん(SCLC)に大別され、肺がん患者さんの80~85%がNSCLCに分類されます※4,※5。非小細胞肺がんと診断される患者さんの約3人に1人は、ステージIII(局所進行)であり、腫瘍の大半は外科的切除不能です※6,※7。
ステージIIIのNSCLCは、局所的にどの程度がんが拡がっているかによって定義される3つのサブカテゴリー(III A、III BおよびIII C)に分類されます※8。がんが体のほかの部位に拡がっている(転移している)ステージIVとは異なり、ステージIIIの患者さんの大半に対しては根治を目的とした治療が行われます※5,※8。
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100か国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。
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富士フイルムは、写真フィルムで培ってきたさまざまな技術を生かし、「ヘルスケア」「マテリアルズ」「イメージング」の3つのセグメントで事業を展開しています。ヘルスケア領域では、アンメットメディカルニーズへの対応や医療サービスへのアクセス向上、疾病の早期発見を目指し、最先端の製品・サービスをワールドワイドに提供しています。
ヘルスケア領域の中核を担うメディカルシステム事業においては、医療ITシステムを核に、CT、MRI、X線画像診断システム、内視鏡システム、超音波診断装置、体外診断システムなどを展開しており、独自の画像技術、光学技術、システム設計技術、さらには最先端のAI技術を各製品・サービスに応用。画像診断における医師の診断支援やワークフローの効率化を目指したソリューションの開発・提供をスピーディに進めています。富士フイルムについてはhttps://fujifilm.com/jp/をご覧ください。
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