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富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、市場成長が見込まれる細胞治療薬の開発・製造受託ニーズに対応するため、細胞治療薬のCDMO※1事業を展開する米国2拠点に総額約2億ドルの設備投資を行います。本投資は、iPS細胞のリーディングカンパニーであるFUJIFILM Cellular Dynamics(フジフイルム セルラー ダイナミクス), Inc.(以下FCDI)のウィスコンシン拠点と、バイオ医薬品CDMOの中核会社FUJIFILM Diosynth Biotechnologies(フジフイルム ダイオシンス バイオテクノロジーズ)(以下FDB)のカリフォルニア拠点に対して、細胞治療薬のプロセス開発・製造設備などを増強するものです。
当社は、2025年にカリフォルニア拠点、2026年にウィスコンシン拠点にて新設備を稼働させ、両拠点の細胞治療薬の生産能力をそれぞれ倍増させる計画です。
細胞治療薬は、細胞そのものを投与して疾患を治療するバイオ医薬品で、アンメットメディカルニーズを解決する最先端治療薬として注目されています。近年、CAR-T細胞治療薬※2など、遺伝子改変細胞を用いた治療薬を中心に研究開発が進んでいることから、細胞治療薬の市場規模は33億ドル(2022年度)から年率30%超で成長することが見込まれています※3。すでに承認されている細胞治療薬は、自家細胞によるものが主流ですが、患者自身の細胞を採取・培養して使用するため、投与までに時間がかかり製造コストが高いといった課題を抱えています。この課題を解決するため、ドナー由来の細胞やiPS細胞を用いる他家細胞治療薬の研究開発が活発化しています。
当社は、FCDIのウィスコンシン拠点とFDBのカリフォルニア拠点で細胞治療薬のCDMO事業を展開しています。現在、ウィスコンシン拠点では、高度なiPS細胞技術を用いてiPS細胞由来の細胞治療薬、カリフォルニア拠点では、治験薬製造・商用生産の経験・実績を生かしてドナー由来の細胞治療薬など幅広い細胞治療薬の開発・製造受託に対応できる体制を構築しています。
今回、当社は、ますます高まる細胞治療薬の受託ニーズにこたえるため、ウィスコンシン拠点とカリフォルニア拠点において総額約2億ドルの設備投資を実施します。いずれの拠点にも、細胞治療薬のプロセス開発用ラボおよび製造設備を導入し、受託能力を大幅に増強します。
具体的には、ウィスコンシン拠点では、現拠点の近隣に購入した土地・建物※4に、生産プロセスを開発するためのラボ設備、GMP※5製造が可能な設備・クリーンルーム(3室)などを導入します。これにより、細胞治療薬のプロセス開発の受託能力を拡大させるほか、生産能力を現状比倍増させます。またカリフォルニア拠点では、拠点内に生産プロセス開発のスペースを設置します。さらに、GMP製造設備・クリーンルーム(2室)を増設するとともに、既存設備も改造することで、細胞治療薬の生産能力を、ウィスコンシン拠点と同様、現状比倍増させます。
なお、今回のウィスコンシン拠点への投資には、FCDIが展開する、創薬研究(候補物質の探索・薬効・薬理など)で広く用いられる創薬支援用iPS細胞由来分化細胞を対象とした開発・製造設備増強なども含みます。
当社は、グループ内での連携強化により、顧客に最適なソリューションを提案し、細胞治療薬の開発・製造を支援していきます。バイオ医薬品の主力である抗体医薬品から、最先端治療薬である遺伝子・細胞治療薬までの幅広い事業展開で、アンメットメディカルニーズへの対応など社会課題の解決、ヘルスケア産業のさらなる発展に貢献していきます。
- 1. 拠点
FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc.
- 2. 所在地
米国 ウィスコンシン州・マディソン
- 3. 投資内容
(1)土地・建屋
(2)細胞治療薬のプロセス開発・製造設備の増強- 生産プロセス開発用のラボ設備の導入
- GMP製造可能な設備・クリーンルーム(3室)の増設※6
(3)創薬支援用iPS細胞由来分化細胞の開発・製造設備の導入など
- 4. 敷地面積
約51,000㎡
- 5. 着工時期
2023年11月
- 6. 稼働時期
2026年
- 1. 拠点
FUJIFILM Diosynth Biotechnologies California, Inc.
- 2. 所在地
米国 カリフォルニア州・サウザンドオークス
- 3. 投資内容
細胞治療薬のプロセス開発・製造設備の増強
- 生産プロセス開発スペースの設置およびラボ設備の導入
- GMP製造可能な設備・クリーンルーム(2室)の増設
- 既存GMP製造設備の改造など
- 4. 着工時期
2024年
- 5. 稼働時期
2025年
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富士フイルム株式会社 ライフサイエンス戦略本部