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日本

導入事例医療法人 七郷クリニック

CXR-AIDによる胸部X線画像診断支援

~CT検査の意義向上に期待~

このコンテンツは医療従事者向けの内容です。

宮城県仙台市で胃腸科・外科・乳腺外科・皮膚科など幅広い診療を展開する七郷クリニック。
院長の阿部基氏は正確な診断で早期発見に努める一環として、AI技術*1の活用により胸部X線画像診断を支援する胸部X線画像病変検出ソフトウェア「CXR-AID」およびフラットパネルのオプションである小型拡張ユニット「EX-Mobile」を導入。CT装置を導入する同院が、CXR-AIDを導入した経緯や使用感などについてお話しをうかがった。

  • *1 AI技術の一つであるディープラーニングを用いて開発。導入後に自動的にシステムの性能や精度が変化することはございません。

医療法人 七郷クリニック
院長
阿部 基 氏

多くの診療科目を標榜されていますが、七郷クリニックのコンセプト・特長は。

家庭医として、患者さんや家族の健康全般を診ていくということをコンセプトにしています。専門は外科ですが、診断から治療、退院後のフォローアップまで一貫して医療を提供することが思い描いた医師像であったため、後に外科的手術だけでない乳腺外科を専攻した経緯があります。開業後も患者さんの要望や診療していく中での必要性から胃腸科、小児科、皮膚科などにも対応して現在に至っています。

CT装置(16列)、カプセル内視鏡、乳房X線撮影装置、超音波画像診断装置、レーザー治療器など各種の検査装置を導入してきたことも、確かな診断による早期発見から治療へのスムーズな移行ができ、かつ患者さんの利便性を高めようという理由からです。

CXR-AIDおよびEX-Mobileを導入した背景・経緯は。

「For the Patient」(患者さんのために)を座右の銘としており、患者さんのために正確な診断による早期発見を―という志の一環としてCXR-AIDおよびEX-Mobileを導入してみようと思いました。

当院の特長はCT装置による精密検査が可能なこと。X線撮影によって病変の疑いがあれば即座にCT検査が可能であることは、患者さんにとっては大きな利便性と思っています。ただ、安易にCT検査を実施すれば患者さんの負担は増すばかりですから、いかにCT検査の価値を高めるかが重要と考えています。CXR-AIDを活用すれば、見落としを減らして、より正確な読影が可能となり、CTによる価値のある精密検査ができるようになるだろうと考えました。

胸部X線画像の読影は誰に聞いても難しいと言い、見過ごしの不安を抱えています。CXR-AIDによるAI技術を活用した診断支援を効果的に使うことで、その不安を払拭することが可能であれば素晴らしい技術だと思い導入しました。

胸部X線撮影の件数、そのうちCXR-AIDの適用件数、CT検査を実施した件数は。

これまで胸部X線撮影の件数を集計したことはありませんでしたが、直近では4週間で100件です。胸部X線に限らず、私自身が読影しています。撮影対象は、高齢者、健診、定期的な受診者など多様です。導入以降、100件すべてでCXR-AIDによる解析を行いました。CT検査の実施数はそのうち6件で、CXR-AIDを利用する以前からその比率はほぼ変わっていません。

CXR-AIDの利用方法は。

使い方としては、まず従来通りX線画像を読影して、その後にCXR-AIDの解析評価を参照しています。先にCXR-AIDを参照することによって先入観を持たないためであり、頼り過ぎないことを重要視しています。

EX-Mobile使用イメージ*2

  • *2 コンソールでの解析結果の表示はCXR-AIDによる処理が実施されたことを確認するためのものであり、診断を目的としたものではありません。CXR-AIDの解析結果を利用した読影は画像診断ワークステーションで行う必要があります。

ヒートマップ、スコアリング表示については。

赤色評価から青色評価の、ヒートマップで示すことによる読影の補助としての有用性はあると感じています。また、スコアリングの数値は、私の読影と比較する上で数値表示は役立つし、CT検査の必要度に影響を与えることもあると考えています。

患者説明でCXR-AIDの解析結果を伝えているか、伝えたときの反応は。

CXR-AIDの導入後は、その結果も伝えています。スコアがゼロの場合、自動解析結果を知ることで、さらに安心されているようです。また、CTによる精密査が必要だと画像と合わせて説明すると、再検査の必要性に納得していただけます。

図1

胸部立位正面画像

CXR-AID解析画像

胸部立位側面画像

CT画像

CXR-AIDおよびEX-Mobileの費用対効果については。

そもそもCXR-AIDの使用自体には保険点数はつかないので、定量的な費用対効果の評価はできません。ただし、診療技術や診断精度の向上には非常に役立つと感じています。

当院のようにCT装置を導入している施設はCT検査の意義を高め、患者さんにとっては医療費の費用対効果を上げることになるのではないでしょうか。

胸部疾患あるいは読影専門でない医師にとって、自身の不安を軽減することに役立ちますし、日々多くの撮影・読影を行う健診センターでは、読影効率の点で費用対効果は高いと思います。

今後、富士フイルムに望むこと、期待することは。

CXR-AIDについては、胸部立位正面画像だけでなく、胸部立位側面画像に対する自動解析もできるとありがたい。胸部X線撮影では心陰影に病変が隠れていることを見逃さないために、原則として正面と側面の撮影を行っています。この側面画像も解析してもらえると、さらに自身の読影結果に確信を与えると考えます。

胸部X線画像病変検出ソフトウェアCXR-AID

販売名

胸部X線画像病変検出(CAD)プログラム LU-AI689型

承認番号

30300BZX00188000

EX-Mobileは以下のオプションです。

販売名

デジタルラジオグラフィ DR-ID 1200 の付属品EX-M1

認証番号

226ABBZX00085000