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日本

ポータブルエコーのインタビュー

排尿障害の診療におけるポータブルエコーを用いた残尿測定の重要性~簡便かつ正確に尿量を測定

このコンテンツは医療従事者向けの内容です。

上田クリニック
泌尿器科
上田 朋宏 先生

私が診断・治療法を世の中に広めた「間質性膀胱炎」の患者さんに限らず、排尿に関する悩みを抱えている方は全国に多くいらっしゃいます。

そうした方々の診療を行う際は、検尿、残尿測定、膀胱内圧測定の3つがポイントになりますが、特に残尿測定においては主にエコーを用いて評価を行います。当院では看護師が残尿測定を行う際に、ワイヤレス超音波画像診断装置「iViz air」の膀胱尿量自動計測機能を活用しています。残尿測定の際に画像が見えることは精度管理上も有用だと感じています。

排尿自立の評価には“残尿測定”が重要になる

排尿に関する悩みを解決するための診療においては、“残尿”が非常に大きな位置を占めることになります。私が残尿測定に取り組み始めたのは1988年頃からで、当時は高齢患者さんの尿道バルーンを外して、排尿自立に導くことが主な業務でした。

その後、間質性膀胱炎と出会い、排尿障害の治療に注力してきたわけですが、排尿自立、排尿障害の治療においては、検尿、残尿測定、膀胱内圧測定の3つがポイントになり、中でも特に残尿が重要になります。

排尿自立では、一定時間ごとにカテーテルで膀胱を空にする“間歇的自己導尿”という手技が重要ですが、その導入にあたっては残尿量の測定や膀胱容量の評価が重要になります。また、排尿障害の治療においても、排尿の悩みの原因がどこにあるのかを見極める上で残尿測定が必須になります。

そして、当院では主に残尿測定でiViz airの膀胱尿量自動計測機能を活用しています。
 

膀胱コンプライアンスの確認や、内視鏡の処置前評価にエコーを活用

当院の外来では日常的にエコーを使用しております。例えば、膀胱が少し硬いと膀胱尿管逆流症(VUR:vesicoureteral reflux)といって、尿が腎臓に逆流して水腎症が起きることがあるため、膀胱コンプライアンスを確認する際にもエコーを使用します。

さらに、間質性膀胱炎の患者さんに対しては膀胱に麻酔をして内視鏡検査を行いますが、残尿があると麻酔薬が薄まってしまうため、必ずエコーで残尿がないかをチェックして、残尿があれば導尿して麻酔薬を入れています。残尿がないのに導尿による残尿測定をすると、患者さんがつらいだけですので、処置前に評価する上でエコーは有用と感じています。

臨床検査においては、安価(低コスト)で、簡便で、侵襲が少なく、正確であること、すなわち“プラクティカリティ”が重要になります。その点から判断すると超音波検査はプラクティカリティが非常に高い臨床検査で、私自身も幅広く活用しています。

横断

縦断

結果

早期に適切な排尿管理、排尿ケアを

現状の在宅医療・介護では、おむつをしていたら全部漏れていると思われていることが多いですし、頻尿でも膀胱が小さいのか、残尿が多いのかまでは評価されていないケースがほとんどでしょう。そういった中で、むくみがとれなくなったり、有熱性の尿路感染症を起こすようになってきて、ようやく泌尿器科に相談されるのですが、その段階ではかなり腎機能が低下していたり、膀胱機能が廃絶していたり、さまざまな問題を抱えていることが多くあります。

今後、高齢化がさらに進展していく中で、より多くの医療従事者が残尿に目を向け、より早期に下部尿路機能障害に介入していく必要があります。そして、泌尿器科の専門医のサポートを受けながら、エコーを用いて簡便かつ正確な尿量測定を行っていくことで、より適切な排尿管理、排尿ケアにつなげていくことが重要だと考えています。

販売名

FWUシリーズ

認証番号

301ABBZX00003000