このコンテンツは医療従事者向けの内容です。
2019年5月に東京都港区で六本木ブレストレディースクリニックを新規開業され、乳腺外科・婦人科・女性内科・外科・ドック・検診・健康診断・プラセンタ・栄養美容注射(点滴)など女性の健康をトータルでサポートされている院長 及川明奈先生に、女性医療における骨粗鬆症の取り組みと、開業時から導入されている骨密度測定装置 ALPHYS*1 LFの活用、ならびに女性疾患領域における富士フイルムのブランド活動についてお話を伺いました。
私は乳腺を専門とする外科医ですが、勤務医時代から、女性特有の症状でどこに相談したらよいかわからないという女性を診察する機会が多々あり、「女性の病気であれば、ここに来れば大丈夫」という女性のプライマリーケアの場所を提供したいと考え開業をしました。また、乳腺外科・産婦人科は受診しにくいイメージを持つ患者さまもおられるかと思い、便利な立地であればその敷居を下げられるかもしれないと考えて、駅から徒歩1分で来院できるアクセスが良いこの場所で開業しました。
クリニックの名称が “ 六本木ブレストレディースクリニック ”なのでR(六本木)とB(ブレスト)を軸にしました。Rの形を工夫することでL(レディース)にもつながるデザインとし、またBにはハートもイメージするデザインとして組み合わせて、全体に女性らしさを持たせました。カラーについては、ピンクと黄緑を用いて、幅広い年齢層の女性の悩みに応じるトータルケアを表わしました。デザインは私の友人にお願いし、無理を言って何度も修正してもらい、大変に満足のゆくロゴマークになりました。
乳腺外科と婦人科を同日に受診できることが最大の特長です。例えば、健康診断において乳腺分野と婦人科分野の両方の検査が要精検となった場合では、患者さまは早く精密検査を受けたいと望まれることもあると思います。当院であれば超音波診断装置やマンモグラフィによる精密検査と、検査結果の説明までを可能な限りその日のうちに実施するようにしています。また、細胞診や生検といった検査が必要となった場合にも当日のうちに対応するよう努めています。このように急な検査にも対応できる設備が整っていることも特長の一つだと思います。
乳癌の女性ホルモン療法であるアロマターゼ阻害剤を使うと骨密度が低下する副作用があることは知られています。患者さまが安心して長期にわたる治療が続けられるように、乳腺外科医であっても骨粗鬆症を管理する意識を高くもって定期的な骨密度検査を心掛けています。
また、女性は更年期になると骨密度が低下することは知られてきていますが、若い方でも月経困難症の治療薬で骨密度が低下する可能性があることはほとんど知られていません。女性のヘルスケアの意識が高まり月経治療をする方が増えていますので、将来の骨粗鬆症防止への意識をあわせて持つことも大切だと感じています。産婦人科の先生からも骨粗鬆症のケアが必要な方についてお声をかけていただき、併せて診察することもあります。
骨密度の測定方法は、橈骨を検査する装置や超音波で測定する装置など、さまざまなタイプがありますが、やはり骨折するとライフスタイルが大きく変わってしまう大腿骨や腰椎を検査できるDXA (Dual-energy X-ray Absorptiometry)にこだわりました。併せて、腰椎や大腿骨は投薬による骨密度の変化が現れやすいので、治療による効果判定や患者さまへの説明にも適しています。また、クリニックの小さなX線室に設置ができるDXAがあることも導入の切っ掛けになりました。
はじめに患者さまへ検査が必要である理由を丁寧に説明します。理解が得られた後に検査を実施するようにしています。DXAも金属物などを外す必要があり、服を脱ぐこともありますが、当院では放射線技師も女性が担当しており、患者さまが安心して検査を受けられる環境を整えています。当院はALPHYS LFを導入していますが、難しい操作はないので不自由なく検査を回しており、撮影から結果をご説明できるまでほぼ15分以内で可能です。
六本木で診察していて本当に感じていることは、極めて痩せている患者さまが大勢いることです。痩せているのにダイエット薬を使用されている方もたくさんいて心配になります。骨貯金という言葉があるように、骨が一番作られる十代の若い頃から意識を高めることが大切と考えていますので、待合室に骨密度に関する案内も置き、日々の啓蒙活動に勤しんでおります。乳癌や子宮癌もそうなのですが、骨粗鬆症もなかなか自覚症状がなく、体の異変に気がついた時には病状が既に進行しているということがあります。症状がないものを普段から意識するということは難しいことですが、女性のクリニックだからこそ、女性の身体のことを積極的に情報発信していきたいと思っています。
開業して四年が過ぎて思っていることは、女性の身体はもともとホルモンによる体調の揺らぎがあることもあり、治療すべき病状について、医療者が提供したい知識と、実際患者となる女性の皆さまの認識との間には、まだまだ大きな差があると思っています。この差を埋める個々の活動は大切なことですが、1つのクリニックで行うには限界があるのかなとも思っています。このようなところに企業が仲介して一般のかたがたも含めて啓蒙する取り組みは、とても意味のある活動かと思います。 そして「INNOMUSE*4」は乳腺領域・婦人科領域に加えて骨の領域を組み入れたことは、素晴らしいことだと思いました。例えば一般のかたがたにとって、乳腺が女性医療に関わることは知られていても、骨との関わりについて知っている方は少ないかもしれません。そのちょっとした疑問というか違和感が興味となり、知識の深まりに繋がっていくのかなと思います。
今後はクリニックならではの女性に関わる診療科の境界領域、いわゆる”はざま”をサポートできる総合的な診療をさらに極めていきたいと思っています。 もう一つは、予防医学に対する医療技術の提供を充実していきたいと考えています。健康診断やワクチンはもちろん、運動や食事、サプリメントなども含めた健康管理を女性医学の観点から提供していきたいです。医療だけではなくヘルスケアですね。
東京都港区六本木6-7-10 簗場ビルB1F
- 販売名
X線骨密度測定装置 ALPHYS LF
- 医療機器認証番号
230AABZX00024000
- 販売名
超音波診断装置 ARIETTA 70
- 医療機器認証番号
225ABBZX00156000
- 販売名
デジタル式乳房用X線診断装置 FDR MS-3500
- 医療機器認証番号
224ABBZX00182000