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骨粗鬆症の診療と言えば整形外科が一般的ですが、昨今では一般内科を標榜するクリニックでも骨密度装置を導入されることが多くなってきました。
そこで、2022年9月にALPHYS*1 LFを導入された横浜市磯子区の洋光台ひろ内科クリニックを訪問し、院長の池田弘子先生と副院長の池田友紀博先生に装置の導入に至った経緯や使用してのご感想をお伺いしました。
院長 池田 弘子 先生
立川 クリニック開業時の経緯を教えてください。
副院長 二人とも横浜市内出身なので横浜市内での開業を考えていたところ、洋光台駅の駅前に医療モールをオープンするとの案内をいただき、併設する耳鼻科と眼科のクリニックと同時期に開業しました。
院長 医療モールが駅前の好立地であることや、モール内のほかのクリニック・薬局と協力しながらやっていけそうと思えたことがこの場所で開業する決め手となりました。開業にあたっては、高齢者の多い土地柄であることを踏まえ、多くの方々に喜んでもらえるような地域医療を実践したい、と考えました。
立川 ところで、院長先生は消化器内科がご専門とのことですが、どうして骨粗鬆症の診療を行おうとお考えになられたのでしょうか。
院長 勤務医時代は内視鏡検査を専門としており骨粗鬆症はあまりなじみがなかったのですが、開業して訪問診療を行うようになって、大腿骨頸部骨折で寝たきりになる患者さんを診察する機会もあり、骨粗鬆症をケアすることの重要性を認識させれられました。
立川 副院長先生はいかがでしょうか。
副院長 私の出身医局は循環器・内分泌・腎臓を専門としており骨粗鬆症も対象としています。ただ、開業時には骨粗鬆症を専門に診るクリニックを作りたかったわけではないので、骨粗鬆症の診療を行う必要性は認識しながらも、そこには大きな設備投資ができないと考えていました。
立川 開業時は中手骨を測定するMD(Micro Densitometry)法を導入されたと伺いました。
副院長 なるべく設備投資を控える方針でMD法の導入をしました。その一方で、開業前に教授に相談した際に、「MD法ではちょっと(不十分ではないか)…」という話になったこともあり、経営が安定した際にはデータの信頼性に勝る腰椎大腿骨骨密度測定装置を導入しようと思っていました。しかし、開業の際にX線室をコンパクトにしたこともあり、骨密度装置を設置するスペースがなくなってしまったため導入を諦めていました。
横浜サービスグループ 竹内一真
立川 ALPHYS LFを導入されるきっかけはどのようなことだったのでしょうか。
副院長 クリニックの経営も安定してきたある日、担当サービスの竹内さんから、富士フイルムでコンパクトな骨密度測定装置があり、部屋を工夫すれば導入することができるのではないか、と提案を受けたのがきっかけです。コンパクトにまとめられるコンセプトはすごくいいと思いました。
竹内 確かにX線室は狭く、初見ではALPHYS LFは入らないと感じましたが、隣接する院長室におじゃまし、空調や水道の配管を見せていただいたところ、院長室を少し狭めてX線室を少し広げれば導入いただけるのではないかと考えました。先生方が懇意にされている施工業者さまとも打ち合わせをしつつ当社で図面を作成させていただき、一般撮影装置のレイアウトを変更したうえでALPHYS LFをL字型に配置すれば設置が可能であることが確認できましたので、ご提案をさせていただきました。
院長 そもそも一般撮影装置のレイアウトも今と逆だったのですが、それを反対側に動かせばできるよ、というご提案をいただいたのをよく覚えています。
竹内 一般撮影装置も最初は鏡写しの状態に設置されていたので、移動するご提案も差し上げました。富士フイルムにコンパクトな骨密度測定装置がなかったらうまくご提案をすることが難しかったかもしれません。最小限の追加工事でご導入いただけ、非常にうれしく思っています。
立川 装置導入後反応はいかがでしたか。
副院長 患者さんからは「いい装置が入ったのね」ということで好意的に受け止めてもらえたように思います。トレンドグラムから骨密度値がよくなっているかどうかを患者さんが簡単に確認できることもあり、検査に対してのご理解はいただけているかと考えています。
立川 骨粗鬆症の治療においては投薬の継続が難しいという話も時々耳にしますが、装置導入により患者さんの服薬アドヒアランスの面で変化はありましたか。
副院長 数値が上がれば治療を続けようという意識が高まると感じています。数値が上がらない場合でも薬を変えたりしながら治療を継続してもらっています。内服薬は効果的に飲めているかどうかの確認が難しいので注射をメインにしています。今のところ途中で治療を離脱するような例はほとんどありません。
立川 スタッフの方からの反応はいかがでしょうか。
副院長 確かに以前に比べると業務量は増えたかとは思います。われわれのクリニックでは看護師に測定のポジショニングを行ってもらっていますが、大変なのは慣れるまでの間のようで、今では特に問題なく、スムーズに対応をしてもらっています。
立川 解析は先生がされているとのことですが、使用感はいかがでしょうか。
副院長 診療の合間にはできないので昼休みとか診療後に行っています。特に骨の状態が良くない患者さんでは試行錯誤しながら解析を行っているというのが本当のところですね。
立川 以前ある骨密度測定の講習会に参加したところ、講師をされていた先生が、特にボーンエッジの設定においては「絵心」が重要だというお話をされていました。
副院長 その通りだと思います。自分の「絵心」が正しいかという不安はいつもあります。「絵心」が必要な部分も含め、計測を自動化して精度を上げていただけると非常に助かります。
立川 測定値についてはいかがでしょうか。
副院長 非常に満足しています。開院時から行っていた中手骨の検査に比べると信頼度が全然違うので安心して患者さんに検査を受けていただけるし、データの説明も確実にできています。
立川 骨粗鬆症について今後の取組について教えてください。
院長 骨密度検査については対象となる患者さんになるべく早めに検査をお勧めして、骨折の予防をして行けたらいいな、と思っています。
立川 最後に、後輩の先生や近隣の先生から、骨密度検査を行いたいとの相談があったら、どうお答えになりますか。
副院長 骨粗鬆症をメインに考えるのでなければ骨粗鬆症検査は必須ではないので、クリニックの経営が軌道に乗ってから検討すればいいのではないかと思っています。コンパクトな装置ならあとから入れることも可能ですので。
竹内 そういう先生がいらっしゃいましたら、すぐにご提案に伺いますのでぜひご紹介ください。(一同笑)
横浜市磯子区洋光台3-13-1 ピーコックストア*2 2F
- 販売名
X線骨密度測定装置 ALPHYS LF
- 承認番号
230AABZX00024000