現像済みのネガフィルムは、通常、樹脂製の半透明のネガシートに保管されていて、損傷が少なければ写真プリントの作成が可能です。なお、泥などに対する洗浄方法は、写真プリントとほぼ同じです。
洗浄作業をするときには、必ず薄手のゴム手袋を着用してください。介護・医療用か食品加工用の手袋がお勧めです。
ネガフィルムの画像部分が傷んでいる場合は、こすっただけで画像が剝がれてしまうなどの損傷が予測されます。
特に乳剤面側の取り扱いには注意を払い、ネガフィルムの両端部分をつまむか、ベース面側の穴のある部分に触れる程度にしてください。
1.軟らかい筆やハケでネガシートについた泥などの汚れを軽く落とします。
ネガフィルムがネガシートごと完全に乾いている場合
ネガシートは細長い封筒状になっていて、隙間に入り込んだ水の逃げ道がなく、長期間ぬれた状態になりやすくなります。泥落としはあくまでも軽く行ってください。
ネガフィルムが生乾き、もしくはぬれている場合
2から始めてください。
2.ネガシートの1段1段をハサミで切ります。こうすることで、後の作業が効率よく行えます。
3.水にくぐらせて、大きな汚れを落とします。傷がつくので、強くこするのは避けましょう。
4.きれいな水を用意して浸し、ネガシートからネガフィルムを取り出して、洗浄します。
水に浸したままにして、ネガフィルムがネガシートから自然に剝がれるようになるまで待ちます。
そして、ベース面(コマ番号が正しく見える方)の穴のある部分を軽く押さえ、慎重に端から剝がします。
絶対に無理に引き剝がしたり、引き出したりしないでください。
画像部分がかなり損傷しています。
ネガシートを引き剝がしたら、絶対にネガフィルムをこすらず、軽くすすぐ程度で水から出してください。
ネガフィルムを傷つけないように、ネガフィルムの両端にある穴の部分などを持ち、水の中でネガフィルムを振るって洗浄します。
5.きれいな水ですすぎ洗いをして、ほこりのつかない場所で陰干しします。
ネガフィルムの両端にある穴に曲げたクリップを通す、もしくは洗濯バサミやクリップなどで端をつまんでつるして干すとよいでしょう。
ヘアドライヤーなどでの急激な乾燥は、ネガフィルムがそり返ってしまう恐れがあり、お勧めできません。