デジタル化の進展に伴い、データ保存に関する需要は増加の一途をたどっています。しかし、各企業において、適切なアーカイブのシステムや運用方法などを選択・確立するには専門的な知見が必要で、アーカイブ体制の整備が進まない要因のひとつにもなっています。
このような状況を踏まえ公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)及び一般財団法人 日本規格協会(JSA)は、アーカイブメディアとして長期安定保存に優れる磁気テープの使用を前提に、デジタル情報の長期保存方法のJIS規格を発表。今後、アーカイブ体制の整備を迷いなく進めるための指針となることが期待されます。
システム構成や運用方法を明確化
今回発表された規格では、アーカイブシステムの構成要素について、「記録媒体(磁気テープ)」、「アーカイブプラットフォーム(磁気テープを対象に情報の書き込み・読み出しを行うコンピュータなどの装置群)」、「管理台帳(アーカイブ情報を管理するデータベース)」の3つと定義しています。
また、運用面に関して、システム所有者の決定事項(情報の保存期間など)やシステム提供者に対する要求事項(管理台帳データの保存手法の明確化など)を規程。さらに、管理台帳の扱いやアーカイブへの入出力などの具体的な方法も定めています。
デジタルアーカイブをもっと身近に、有効に
本規格の主な特徴としては、①ストレージに焦点を当てた必要最小限の規格、②ファイル単位のアーカイブ、③構成選択の自由度――などが挙げられます。これらの特徴はいずれも、各企業の実情やニーズに合わせて過不足のないアーカイブ体制を構築したり、アーカイブ情報を円滑に読み出しやすくしたり、といったメリットにつながる可能性を秘めています。
デジタルアーカイブをひとつのシステムと捉え、システムの構成要素や運用方法を明確にすることを目指して策定されたJIS規格。スムーズで安全・安心な磁気テープによるデジタルアーカイブの利活用に向けて、有効な指標となることでしょう。
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