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富士フイルム富山化学株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:佐藤 充宏、以下「富士フイルム富山化学」)は、抗ウイルス薬「アビガン®錠200mg」(一般名:ファビピラビル)(以下、「アビガン」)について、適応症にマダニ媒介感染症である「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルス感染症」を追加する承認を本日付けで取得しましたので、お知らせします。なお、本製品の販売は、薬価収載後となります。
SFTSウイルス感染症は、主にSFTSウイルスを保有するマダニに刺咬されることで感染します。国内での患者数は年間100例程度と少なく、致死率*1は約27%*2と報告されています。現在、SFTSウイルス感染症に対する治療薬はなく、感染者の治療は対症療法が主体となっています。
今回の承認は、富士フイルム富山化学がSFTSウイルス感染症患者を対象に実施した国内臨床第III相試験の結果に基づいています。本試験などのデータにおいて、SFTSウイルス感染症に対するアビガンの有効性及び安全性が確認されたため、2023年8月に厚生労働省へ承認事項一部変更承認申請を行い、承認に至りました。
富士フイルム富山化学は、SFTSウイルス感染症を適応とする薬剤アビガンの提供を通じて、日本におけるSFTSウイルス感染症の治療に貢献できるよう取り組んでまいります。
2014年3月に新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症を適応症として国内で製造販売承認を取得した抗ウイルス薬です。ほかの抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分な新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症が発生し、本剤を当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合に、患者への投与が検討される医薬品です。
アビガンはウイルスのRNAポリメラーゼを選択的に阻害することでウイルスの増殖を防ぐというメカニズムを有しています。このようなメカニズムの特長から、インフルエンザウイルス以外のウイルス感染症分野でも応用の可能性が高いと考えられ、SFTSにおいては、2016年6月から愛媛大学、長崎大学、国立感染症研究所が中心となりアビガンを用いたSFTSウイルス感染症患者を対象とした臨床研究*3を実施。有効な治療法の開発につながる知見が得られたことから、富士フイルム富山化学がSFTSウイルス感染症患者を対象とした国内臨床第III相試験を2018年4月から実施しました。なお、「アビガン」は、厚生労働省より2023年6月に、SFTSウイルス感染症を効能又は効果とする希少疾病用医薬品に指定されています。
SFTSウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより主に感染するといわれています。感染後6日~2週間程度の潜伏期間を経て発症し、重症例では神経症状、出血傾向、多臓器不全などが発現します。国内では2013年以降、2024年1月31日までに939名の患者が確認されています。西日本での発症が多く、マダニの活動が盛んな春から秋にかけて罹患する危険性が高まります。非常にまれではありますが、感染したイヌやネコからヒトに感染した事例、2023年には国内で初めてヒトからヒトに感染した事例も報告されています。
販売名 |
アビガン®錠200mg |
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一般名 | ファビピラビル |
効能又は効果 |
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用法及び用量 |
新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症 通常、成人にはファビピラビルとして1日目は1回1600mgを1日に2回、2日目から5日目は1回600mgを1日2回経口投与する。総投与期間は5日間とすること。 重症熱性血小板減少症候群ウイルス感染症 通常、成人にはファビピラビルとして1日目は1回1800mgを1日2回、2日目から10日目は1回800mgを1日2回経口投与する。総投与期間は10日間とすること。 |
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