富士フイルムヘルスケア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本 章雄)は、前立腺生検の効率化を支援するMRI-USフュージョン前立腺生検*1システム「ARIETTA 65 IntuitiveFusion」(アリエッタ65インテュイティブフュージョン)*2を本日より発売します。
本システムは、富士フイルムヘルスケアの超音波診断装置「ARIETTA 65」とMedCom GmbH*3(本社:ドイツ連邦共和国ダルムシュタット、以下MedCom社)の「BiopSee ソフトウェア」*4を組み合わせた前立腺生検システムです。装置とソフトを組み合わせることで小型化と高い操作性を実現するとともに、MRI-USフュージョン前立腺生検をサポートする多彩な機能により前立腺生検の効率化を支援します。
富士フイルムヘルスケアは、4月20日から4月23日に神戸コンベンションセンター(兵庫県)で開催される第110回日本泌尿器科学会総会に本製品を出展します。
前立腺がんは、2019年の日本人男性における部位別がん罹患数で第一位のがん*5で、今後、高齢化の進行に伴いさらなる増加が見込まれます。前立腺がんの検査では、血液中のPSAという腫瘍マーカーの値を調べるPSA検査に加え、直腸診、超音波検査、MRI検査などが行われ、がんが疑われる場合には確定診断として生検(前立腺生検)が行われます。現在、前立腺生検は、超音波画像下で行われることが一般的ですが、病変が小さい場合、超音波画像だけでは見えにくく、病変部への正確な穿刺が難しいという課題がありました。このことから、近年、事前に撮影したMRI画像を超音波画像に融合し、リアルタイムに表示させることで穿刺の精度を上げる、MRI-USフュージョン前立腺生検方式への注目が高まっています。
「ARIETTA 65 IntuitiveFusion」は、小型化による省スペース化と高い操作性により、外来診療から、生体モニタや麻酔器などさまざまな機器が置かれ、スペースに制約のある手術室内での運用まで幅広く対応します。またMRI-USフュージョン前立腺生検をサポートする生検事前プランニング機能*6や、生検ガイド機能*6、弾性(Elastic)フュージョン機能*6に加えて、レポート機能*6も備えており、治療計画への応用、治療後のフォローアップやアクティブサーベイランス*7への活用が期待されます。
今後も富士フイルムヘルスケアは、超音波診断装置のリーディングカンパニーとして、ユーザーにとって使いやすい装置を追求し、多様なニーズにこたえ、医療の発展と人々の健康の維持増進に貢献していきます。
記
1. 販売名
超音波診断装置 ARIETTA 65 医療機器認証番号:第230ABBZX00050000号
2. 発売日
2023年4月6日
3. 主な特長
1. 小型化・高い操作性を実現
「ARIETTA 65 IntuitiveFusion」は、富士フイルムヘルスケアの超音波診断装置「ARIETTA 65」とMedCom社の「BiopSee ソフトウェア」を組み合わせた、小型で省スペース設計のMRI-USフュージョン前立腺生検システムです。「BiopSee ソフトウェア」の操作や画面表示を「ARIETTA 65」のモニタ上で行えることでスムーズな操作性を実現しています。一般的なMRI-USフュージョン前立腺生検システムは、超音波診断装置に加えて独立した専用装置が必要であるのに対し、「ARIETTA 65 IntuitiveFusion」は、小型化により限られたスペースにも設置可能。外来診療から、生体モニタや麻酔器などさまざまな機器が設置される手術室内での運用まで対応します。
2.「BiopSee ソフトウェア」の前立腺生検に対応した前立腺融合穿刺機能を搭載
「ARIETTA 65 IntuitiveFusion」は、MRI-USフュージョン前立腺生検に対応した豊富な機能を搭載しています。精度の高い穿刺と正確な組織採取をサポートすることで、前立腺生検の効率化に貢献します。
生検事前プランニング機能
MRI画像と位置合わせした超音波画像上に、生検する針の位置を仮想的に設定することで生検の事前プランニングができます。
生検ガイド機能
事前プランニングに基づき、プローブ位置の調整や、針の挿入位置をテンプレート座標(穿刺の位置の目安となる碁盤の目状の固定器具の番号)や矢印でガイドすることで、生検をナビゲーションしサポートします。
弾性(Elastic)フュージョン機能
剛性(Rigid)フュージョンに加えて、プローブによる加圧などで変形した組織の超音波画像上の輪郭に合わせてMRI画像と位置補正が可能です。変形による位置合わせを補正することで生検の際に直感的に位置を把握できます。
レポート機能
生検したすべての針の位置、表示した2D、3Dの断面画像をレポートとして出力します。また、前立腺生検で採取した組織の病理検査の結果(悪性度の評価指標であるGleasonスコア)も記録することができ、治療計画への応用、治療後のフォローアップやアクティブサーベイランスへの応用が期待されます。
3. 経会陰生検に対応
「ARIETTA 65 IntuitiveFusion」は、陰嚢と肛門の間(会陰)から針を刺す経会陰生検に対応しています。経会陰生検は、肛門から直腸壁を通して針を刺す経直腸生検と比べて出血や感染リスクが少ないと言われている手技です。
お問い合わせ
本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。
富士フイルムメディカル株式会社
マーケティング部
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