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ニュースリリース

2022年10月20日

超音波診断装置「ARIETTA(アリエッタ) 850 DeepInsight(ディープインサイト)」に、AI技術を活用して開発した新機能が登場

乳房超音波検査の支援機能「eScreening(イースクリーニング)」提供開始

乳腺領域中の輝度特徴量が異なる区域を強調表示して検査者の負担軽減に貢献

富士フイルムヘルスケア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本 章雄)は、AI技術*1を活用して開発した、乳房超音波検査の支援機能「eScreening(イースクリーニング)*2」の提供を本日より開始します。

「eScreening」は、超音波診断装置「ARIETTA 850 DeepInsight(アリエッタ 850 ディープインサイト)*3」用の新機能で、乳腺領域中の輝度や質感、形状の違いを輝度特徴量として数値化し、輝度特徴量が周囲と異なる区域を枠(検出ボックス)で囲って強調表示するものです。快適な検査環境を提供し、リアルタイムに疾患を見つけることが求められる検査者の負担軽減に貢献します。

乳がんは、日本のがん統計*4によると、日本人女性の中で最も罹患者数が多いがんです。その一方で、がんと診断された場合に治療でどのくらい生命を救えるかを示す指標の一つとなる「5年相対生存率」は92%であることから、乳がん検診などで早期に発見し治療を行うことが重要です。超音波による乳房検査(乳房超音波検査)は、日本人に多いとされる乳腺組織の割合が高い「高濃度乳房(デンスブレスト)」でもがんを検出しやすい特長があるため、マンモグラフィ検査との併用で早期乳がんの発見率がさらに高まることが知られています。

富士フイルムヘルスケアは、2022年に、AI技術を活用して開発したノイズ除去技術「DeepInsight技術*5」や、eFocusing*6、Carving Imaging*7などの画像処理技術を搭載した超音波診断装置「ARIETTA 850 DeepInsight」を発売。被検者の体格や検査者の手技によるばらつきの少ない安定した画像を提供し、より正確な超音波検査を支援することから、高い検査効率と診断能が求められる乳房超音波検査において多く利用されています。

今回提供を開始する「eScreening」は、AI技術を活用して開発した、乳房超音波検査の支援機能で、「ARIETTA 850 DeepInsight」に搭載して使用するものです。乳房超音波検査では、異常が疑われる領域を見つける際に、正常な乳腺と比較して輝度や質感、形状が周囲と異なっていないかを観察するため、検査者の負担を大きく伴いますが、「eScreening」は、乳腺領域中の輝度や質感、形状の違いを輝度特徴量として数値化。輝度特徴量が周囲と異なる区域を自動検出し、枠(検出ボックス)で囲って強調表示することができるため、検査者の負担軽減に貢献します。

富士フイルムグループは、乳がん検査向けに、デジタルX線撮影装置・医療IT・超音波診断装置・CT・MRIといった幅広い製品ラインアップを組み合わせ、医療現場のニーズに応じたソリューション提案を強化しています。今後、富士フイルムグループの持つ技術を結集した製品開発をさらに加速させ、より付加価値の高い乳がん検査向けのソリューションをグローバルに提供し、医療の質の向上、人々の健康維持増進に貢献していきます。 

  • *1 「eScreening」は、AI技術の一つであるDeep Learningを用いて開発・設計したものです。実装後に自動的に装置の性能・精度は変化することはありません。
  • *2 「eScreening」は、超音波診断装置「ARIETTA 850 DeepInsight」のオプション機能です。
  • *3 販売名:超音波診断装置 ALOKA ARIETTA 850、医療機器認証番号:第228ABBZX00147000号(ALOKAは日本レイテック株式会社の登録商標です)
  • *4 公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計2022」
  • *5 「DeepInsight」は、AI技術の一つである機械学習を用いて開発・設計したものです。実装後に自動的に装置の性能・精度は変化することはありません。
  • *6 「eFocusing」は、受信ビームの領域が重なるよう、位置をずらして複数回送信し、得られる受信ビームを合成して超音波画像を形成することで、フォーカス点から離れた深度で分解能が劣化するフォーカス依存性を低減し、浅部から深部まで均一な画像を得ることができます。
  • *7 「Carving Imaging」は、組織構造の視認性を高める高画質技術です。ノイズレスでクリアな画像を得ることができます。
1. 機能名

乳房超音波検査の支援機能「eScreening(イースクリーニング)」

2. 提供開始日

2022年10月20日

3. 主な特長
(1)輝度特徴量が異なる区域を自動検出し強調表示

乳腺領域中の輝度や質感、形状の違いを輝度特徴量として数値化。輝度特徴量が周囲と異なる区域を自動検出し、枠(検出ボックス)で囲って強調表示することができるため、リアルタイムに疾患を見つけることが求められる検査者の負担軽減に貢献します。

(2)輝度特徴量の差分をヒートマップで表示

枠(検出ボックス)による強調表示に加え、輝度特徴量の分布を青から赤までのヒートマップで表すことが可能。輝度特徴量が高いほど赤く表示し、枠(検出ボックス)により強調表示された区域における検査者の理解を促進します。

(3)輝度特徴量の最大値を時系列データとして可視化

輝度特徴量の最大値を時系列でグラフ化して表示。検査後に画像を見返して詳細に観察する時などに、輝度特徴量が高い領域が含まれる画像の検索を容易にし、検査者をサポートします。

輝度特徴量が周囲と異なる区域を検出し、枠(検出ボックス)で囲って強調表示。また、輝度特徴量の分布をヒートマップで表示・輝度特徴量の最大値を時系列でグラフ化する。

「ARIETTA 850 DeepInsight」のモニタ表示(「eScreening」使用時)

  • *8 超音波の波長に比べて小さな生体内の無数の散乱体(反射体)群によって生じる散乱波(信号)。エコー信号に含まれ、体内の組織状態の微妙な違いを表現する情報として役立つ。
  • *9 SWE (Shear Wave Elastography):組織を振動させることで発生したせん断弾性波 (shear wave) の伝搬速度をもとに、組織の硬さの違いを色付けて表示します。さらにROI (Region of Interest: 関心領域) 内の任意の箇所の硬さを数値化することで、定量評価が可能です。「SWE 」はオプション機能です。
  • *10 RTE(Real-time Tissue Elastography):組織のひずみをリアルタイムに算出し、硬さの違いを色付けて表示します。RTEの硬さ情報は、病理像の形態情報を反映し、組織構築をより正確に表現することが可能です。「RTE」はオプション機能です。
  • *11 RVS(Real-time Virtual Sonography):超音波画像およびその画像と同期したCT/MRI画像を超音波診断装置のモニタに並べて表示することで、超音波ガイド下での生検などを支援します。「RVS」はオプション機能です。 
  • * 記事の内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合(生産・販売の終了、仕様・価格の変更、組織・連絡先変更等)がありますのでご了承ください。

お問い合わせ

本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。

富士フイルムメディカル株式会社
マーケティング部

E-mail:shm-fms-hansoku@fujifilm.com