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ニュースリリース

2023年3月31日

AI技術(*1)を活用して開発したMRI向けのアプリケーションを拡充

3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT(シナプス ヴィンセント) Ver6.8」提供開始

非造影MRIから直腸3D画像を表示する「直腸解析」・磁化率を画像化する「QSM解析」

このニュースリリースは、報道機関向けに発信している情報です。

富士フイルムメディカル株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:川原芳博)は、非造影MRI画像から直腸領域の3D画像を表示する「直腸解析」や、物質固有の物性値である磁化率を定量的に画像化する「QSM(*2)解析」を新搭載した「SYNAPSE VINCENT」の最新バージョン「SYNAPSE VINCENT Ver6.8」の提供を2023年2月より開始しました。当社は、4月14日~16日にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催される「2023国際医用画像総合展(ITEM2023)」に本製品を出展いたします。

SYNAPSE VINCENT は当社の画像認識技術を生かして、CTやMRIなどの断層画像から高精度な3D画像を描出する3D画像解析システムです。医療画像を立体的に可視化することで、画像診断や手術シミュレーションなどに活用できます。最新バージョンでは、AI技術を活用して開発した「直腸解析」や「QSM解析」などの、MRI向けアプリケーションを拡充しました。

直腸解析アプリケーションは、非造影MRI画像から直腸やその周辺臓器、血管、神経、尿管などを抽出し3D画像を表示する機能です。非造影MRI検査で3D画像が得られるため、患者負担が少なく済みます。また、直腸内の関心領域と切除面との距離情報や術野のイメージをシミュレーションする仮想内視鏡ビュー機能と合わせることで、詳細な術前シミュレーションを支援します。

また、富士フイルムヘルスケア社が開発した画像解析処理技術QSMを、SYNAPSE VINCENT 上で使用可能なアプリケーションとして搭載しました。QSMとは物質固有の物性値である磁化率を定量的に画像化する手法で、磁化率が小さい反磁性体は黒く、磁化率の大きい常磁性体は白く描出されます。この点に着目することで、アルツハイマー型認知症や多発性硬化症などの神経性疾患に対する診断への補助が期待されます(*3)。脳の各区域をセグメンテーションする「脳区域解析」と組み合わせて使用することで、脳の区域ごとにQSM値の平均を表示することも可能です。

富士フイルムは、AI技術ブランド「REiLI」のもと、AI技術の医療における活用の幅を広げることで、医療画像診断支援、術前シミュレーションの支援、医療現場のワークフロー支援に取り組んでまいります。
 

  • *1 AI技術の一つであるディープラーニングを用いて設計した。導入後に自動的にシステムの性能や精度が変化することはない。AI技術を活用して開発された機能は「直腸解析」機能のみです。
  • *2 Quantitative Susceptibility Mapping:定量的磁化率マッピング
  • *3 工藤 與亮,「神経変性疾患における定量的磁化率マッピング(QSM)の臨床応用」,『神経治療学』,2022年39巻6号,S207項。
     

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