富士フイルムヘルスケア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本 章雄)は、バージョンアップした新たな1.5テスラ超電導MRIシステム「ECHELON Smart Plus」(エシェロン スマート プラス)を4月10日より発売します。2021年の発売以来好評を頂いている「ECHELON Smart Plus*1」のプラットフォームを刷新し、バージョンアップしたソフトウェアを採用。AI技術*2を活用して新たに開発したノイズ除去技術「Synergy DLR」や進化した高速化技術「IP-RAPID」により、さらなる高画質化と高速化を実現しました。
富士フイルムヘルスケアは、4月14日〜16日にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催される「2023国際医用画像総合展(ITEM2023)」に「ECHELON Smart Plus」を出展します。
臨床現場の慢性的な人手不足により、限られた検査時間で質の高い検査を簡便な検査ワークフローで行うニーズが高まっています。そのため、MRI検査の高速化や高画質な画像の取得が可能なアプリケーションは、近年目覚ましいスピードで進化を続けています。特にAI技術であるDeep Learningを用いた画像再構成処理は、短いスキャン時間でも高画質な画像を取得できる画像処理技術として注目されています。また、造影剤を必要としないため簡便で副反応リスクがない検査として、MRIを用いて毛細血管の脳血流動態を観察する非造影灌流撮像法ASL-Perfusionへの期待が高まっています。
今回バージョンアップした「ECHELON Smart Plus」は、新しいモデルのワイドボア1.5テスラ超電導MRIシステム「ECHELON Synergy(エシェロン シナジー)*3」に搭載した短いスキャン時間でも高画質な画像を取得できる画像処理技術を搭載しています。AI技術を活用して新たに開発したノイズ除去技術「Synergy DLR」の搭載と、画質を維持しながら撮像時間を短縮できるIterative Processを用いた独自の高速化技術「IP-RAPID」の進化により、高画質な画像の取得と高速化による検査時間短縮を両立。検査ワークフローを効率化し、医療従事者が検査に注力できる環境をサポートします。また、検査ニーズが高まっている非造影灌流撮像法ASL-Perfusionにおいて、画像化に不要な背景信号の抑制能向上を実現し、視認性の良い画像の取得を可能にしました。
富士フイルムヘルスケアは、高画質で読影しやすい撮像の提供など、医療従事者が検査に注力できる検査環境をサポートし、検査の効率化と医療の質の向上を図ることで、人々の健康維持増進に貢献していきます。
MRイメージング装置 ECHELON Smart(医療機器認証番号: 229ABBZX00028000)
2023年4月10日
MRI画像のスキャン時間と画質はトレードオフの関係にあり、高画質な画像を得るためにはスキャン時間を長く取る必要があります。「ECHELON Smart Plus」は、新しいモデルの「ECHELON Synergy」に搭載した画質を維持しながら撮像時間を短縮する技術を搭載。AI技術を活用して新たに開発したノイズ除去技術「Synergy DLR」を搭載し、繰り返し演算処理を行う高速撮像法の「IP-RAPID」を進化させました。
「Synergy DLR」による安定したノイズ除去効果を得ることで、より高画質な画像の取得を可能にします。また、「IP-RAPID」の演算処理を進化させることで信号を補間し、従来の高速撮像法で原理的に発生する信号雑音比であるSNRの局所的な落ち込みを低減しました。
「Synergy DLR」と「IP-RAPID」は、撮像部位を問わず、さまざまなコントラストの画像に適用できます。
非侵襲的検査としての高いニーズに着目し、ASL-Perfusionにおいて、画像化に不要な背景信号の抑制能を向上することで、視認性のよい灌流画像の取得を追求しました。
ASL-Perfusionでは造影剤の代わりとして血液内の水分子をラベリング(標識化)します。血液のラベリング後から信号収集するまでの時差であるPLD(Post Labeling Delay)を利用して脳血流動態を観察します。「ECHELON Smart Plus」は、画像化に不要な背景信号を抑制し複数PLD間の信号のばらつきを従来バージョンよりも低減することで、複数PLDの灌流画像の取得が安定的に可能となりました。さらに観察時にノイズとなる血流信号を抑制することで、従来バージョンと比較し、より正確な灌流の視覚化を実現しました。
また、「ECHELON Smart Plus」で撮像した灌流画像を「SYNAPSE VINCENT Core」*4で解析することが可能です。「ECHELON Smart Plus」で取得した複数PLDの画像からATT Map(ATT:Arterial Transit Time、ラベリングされた血液の到達時刻)とATTを考慮したCBF Map(Cerebral Blood Flow、脳組織の血流)を作成し、血流動態をカラー表示と数値化することで評価を容易にするMapが作成できます。灌流画像の視認性向上により、検査ワークフロー効率化が期待されます。
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