幸せホルモン「オキシトシン」受託測定サービスを開始

2024年2月27日
富士フイルム和光純薬株式会社
 

　富士フイルム和光純薬株式会社（本社：大阪市中央区、代表取締役社長：吉田 光一）は、ホルモンの一種で、通称、幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」の受託測定サービス（以下、本サービス）を2月27日より開始します。本サービスは、お客様から少量の検体を提供いただき、検体中に含まれるオキシトシンの量を、当社独自の研究用試薬キット「オキシトシンELISAキットワコー」を用いて高感度・安定的に測定し、定量的なレポートにまとめて提供するサービスです。

　オキシトシン（Oxytocin）は、尿・血液・唾液などに含まれる9つのアミノ酸が結合したペプチドホルモンです。分娩時の子宮収縮や、出産後の乳汁分泌などの母性行動をもたらす働きを持ち、医療現場では陣痛促進剤として使われています。近年、オキシトシンは、社会性行動への関与やストレス緩和、抗不安/抗恐怖作用、記憶力向上、抗肥満効果といったさまざまな機能を示すことが新たに報告され¹、うつや自閉症など精神疾患の治療、化粧品や食品の商品開発など様々な分野で研究され、注目されています。

一般的に、検体中には測定に影響する夾雑物が多く存在する一方で、オキシトシンは濃度が低いため、安定的な測定が難しいとされています。そのため、オキシトシンの測定には、多量の検体が必要であることや、検体の前処理が煩雑で時間がかかることが課題として挙げられています。このたび当社が開始する本サービスは、オキシトシンの測定に当社独自の研究用試薬キット「オキシトシンELISAキットワコー」を使用し、最低50 μL と微量の検体から、短時間で高感度・安定的な測定を実現。研究設備や測定機器を持たないお客様も少量の検体を提出するだけで、信頼性高い測定結果を定量的にまとめたレポートを迅速に得ることができます。さらに人の尿・血液・唾液だけでなく、マウス・ラットの血液といった多様な検体からも測定が可能です。

　本サービスに使用される「オキシトシン ELISAキットワコー」は、キット単体でも購入可能です。試薬の混合・撹拌・遠心分離のみの簡便な前処理方法により前処理にかかる時間は僅か30分で、その後の測定時間を合わせても3時間という短時間測定を実現。本サービス同様、最低50 μL と微量な検体からの測定も可能です。本年１月には、独自開発した、オキシトシンに対して特異性と親和性が高いモノクローナル抗体²を使用するリニューアルを行っています。

　当社は今後も、「次の科学のチカラとなり、人々の幸せの源を創造する」というミッションのもと、社会や顧客のニーズに応える高機能・高品質な製品を開発・提供し、医療をはじめとする幅広い分野の産業や学術研究の発展に貢献していきます。

1. 1,（参考文献）  Y., Iwasaki et al.: Biochem. Biophys. Res. Commun., 519(3),553(2019).  
   　  　　　 Kerstin Uvnas-Moberg et al.: Z. Psychosom. Med. Psychother., 51(1), 57(2005).
2. 2,一般的な抗体特性としてマウス・ラット由来よりも結合親和性や特異性に優れているウサギ由来のモノクローナル抗体。