ニュースリリース

2023年5月11日

原薬GMPに準拠した培地用添加剤

ROCK阻害剤「Y-27632」 新発売

ヒトiPS細胞を用いた再生医療等製品の商業生産に使用可能

2023年5月11日
富士フイルム和光純薬株式会社

富士フイルム和光純薬株式会社(本社:大阪市中央区、社長:吉田 光一)は、ICH-Q7原薬GMP1に準拠した培地用添加剤として、ROCK阻害剤2「Y-27632」を5月25日より発売します。「Y-27632」は、ヒトiPS細胞を用いた再生医療等製品の商業生産に使用できます。

現在、最先端の治療分野では、多分化能・増殖性を有するヒトiPS細胞を用いた再生医療製品の研究開発が進んでいます。しかし、細胞培養工程における細胞分散3の際にアポトーシス(細胞死)を起こすことがあるため、細胞の安定的な培養に必要な培地用添加剤の重要性が高まっています。
当社は、医薬品・再生医療の研究向けの培地用添加剤「CultureSure®シリーズ」を展開。現在、本シリーズの中で、ヒトiPS細胞培養に用いるROCK阻害剤「CultureSure® Y-27632」を提供しています。今後、市場が拡大する再生医療等製品の商業生産向けに同製品の応用展開を図るため、GMP準拠品としての製品化を進めてきました。

今回発売する「Y-27632」は、ICH-Q7原薬GMPに準拠した培地用添加剤です。ヒトiPS細胞におけるROCKシグナル伝達系を選択的に阻害するROCK阻害剤で、細胞分散時のアポトーシスを抑制します。また、細胞の凍結保存後の生存率を向上させる効果もあるため、ヒトiPS細胞を用いた再生医療等製品の安定的な生産を可能にします。なお、「Y-27632」の製造場所は、GMP設備・管理体制を有する、当社子会社の富士フイルムワコーケミカル株式会社の宮崎工場です。
今後、当社は、「CultureSure®シリーズ」で展開する培地用添加剤をGMP準拠品として順次製品化し、再生医療等製品の商業生産向けの製品ラインアップを拡充していきます。

当社は、「次の科学のチカラとなり、人々の幸せの源を創造する」という理念のもと、社会や顧客のニーズに応える高機能・高品質な製品を開発・提供し、医療をはじめとする幅広い分野の産業や学術研究の発展に貢献していきます。

  1. 1.医薬品規制調和国際会議(ICH)の合意に基づき、2001年に日本に通知された原薬GMPのガイドライン。
  2. 2.Rhoキナーゼ(Rho-associated, coiled-coil containing protein kinase)阻害剤のこと。Rhoキナーゼとは、細胞質に存在し、細胞増殖、細胞接着、血管収縮などのさまざまな生理機能への関与が知られているリン酸化酵素のこと。
  3. 3.細胞培養時に行う工程の1つで、シャーレから別のシャーレに細胞を1つずつ分けて、新しいシャーレの上で新たな細胞塊を形成させる工程のこと。

【製品名・発売日・希望納入価格】

製品名 発売日 希望納入価格(税別)
Y-27632 2023年5月25日

5mg 120,000円
25mg 480,000円

製品ページはこちら:https://labchem-wako.fujifilm.com/jp/product/detail/W01W0125-0070.html
Y-27632 製品一覧ページはこちら:https://labchem-wako.fujifilm.com/jp/category/03097.html

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