H.S.
2011年度 新卒入社
医学薬学教育部 薬科学専攻
私は研究部門で薬理研究を行っています。部署の業務は、新薬開発パイプラインの開発推進のための薬効・薬理評価および申請資料作成です。それに加え、感染症創薬研究で確立した研究基盤を創薬支援CRO*1サービスに展開し、創薬研究支援事業にも取り組んでいます。特に、抗病原微生物活性評価サービスについては当社の強みや経験を生かして積極的に展開しています。私も、抗病原微生物活性評価サービスを担当し、細菌の薬剤耐性化因子の発現解析および細菌やウイルスへの消毒作用評価などを担当しています。
新薬創製実績に基づく創薬ノウハウを強みにして、さまざまな創薬フェーズにおける創薬研究支援(CRDMO: Contract Research, Development and Manufacturing Organization)ビジネスを展開しているだけでなく、これらの取り組みを富士フイルムグループ企業間で連携して推進できるところが魅力的だと思います。
グループ企業連携の一例としては、富士フイルムが開発し上市している「ヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞(F-hiSIEC™)」を用い、当社が感染症創薬開発を通じて獲得してきた病原微生物の取り扱い経験を生かした「in vitro培養系を用いたヒトノロウイルスに対する消毒効果の評価」が挙げられます。この「in vitro培養系を用いたヒトノロウイルスに対する消毒効果の評価」は、当社独自のサービスとして提供しており、グループ会社の富士フイルム和光純薬と連携して、このサービス紹介や顧客獲得に取り組んでいます。
また、創薬研究には多角的な視点(有効性や安全性、法規制など)が求められるため、部門横断的な連携が必要です。そのため、当社には信頼とチームワークを大切にする社風があり、誠実な人柄の研究員が多く、仕事からプライベートのことまで気軽に相談できる、とても雰囲気が良く仕事をしやすい環境です。
新しい仕事へ挑戦し、周囲と協力しながら創意工夫を重ねて仕事を進める過程にやりがいを感じます。例えば、新規の実験系を構築する際、たいてい一度の実験では上手くいきません。そのため、実験事実に基づく問題解決の仮説とその検証を繰り返し、最適な実験系を構築します。この過程では、周囲の研究員に相談し、知恵を絞り、議論を重ねながら、実験を進めて、実験系の構築、成否を見定めます。とても地道なことですが、結果を議論し、結果の解釈を見極めることはとても楽しく、私はそういった創意工夫の過程にやりがいを感じています。さらに、実験結果が論文や報告書、申請資料で具現化するとプロジェクト推進への貢献が明白になるため、とても励みになります。
現在展開している創薬支援CRO事業は、創薬研究基盤を最大限に活用して挑戦する新規事業であるため、部門あるいはグループ会社間横断的に連携して取り組んでいます。今後も、新たに取り組むべき仕事が多く出てくると思います。新たな仕事への挑戦と創意工夫の過程を楽しみ、専門とする研究、実験業務では、「この人に聞けば大丈夫」といわれるような、頼りになる存在を目指しています。また、新たな仕事を通じて、部内だけでなく部外、グループ会社の人々、依頼いただいたお客さまから信頼を得て、その結果、成果の喜びを分かち合えるような存在になりたいと思っています。
お忙しい中、ご覧いただきありがとうございました。
就職は大きな人生の転機と思います。思いどおりにならないこともあるかもしれませんが、将来、挑戦したいことをよく考えてご自身がマッチする企業を分析することが大切だと思います。「これこそは」と思える仕事選びができるように、ご自身と向き合い、時々息抜きをしながら健康を大切にして後悔の無いように頑張ってください。