カーボンフットプリント(CFP)は、温暖化ガス(主にCO2)の排出を抑制するために、製品の原材料調達から廃棄までの全工程で排出された温暖化ガスの総量をCO2に換算し表示する制度です。
製品の環境負荷を「見える化」することにより、製造メーカーでのさらなる環境負荷低減を促進するとともに、購入者が「環境負荷の少ない製品」を選択しやすくする目的で発足した制度です。
印刷分野においても、この制度の導入が進んでおり、商業出版物と刷版のPCR(Product Category Rule)が制定され、富士フイルムも、2009年末に「サーマルCTPプレート」で業界初のカーボンフットプリント認定を受け、製品レーベルへのCFP値の表示を開始しました。
製品名 | Digital Thermal Plate | |
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登録番号 | CO2(kg/m2) | |
SUPERIA XP-F | JR-AR 24002C | 新レーベル表示: 6.0kg(0.15mm厚) 8.6kg(0.24mm厚) 10.4kg(0.30mm厚) |
SUPERIA XP-L | ||
SUPERIA XL-T | ||
SUPERIA ZP、ZD-Ⅱ、ZX | JR-AR 24004C | 新レーベル表示: 5.7kg(0.15mm厚) 8.4kg(0.24mm厚) 10.2kg(0.30mm厚) |
SUPERIA HN-NV | JR-AR 24002C | 新レーベル表示:10.4kg(0.3mm厚) |
SUPERIA ZN-Ⅱ | JR-AR 24004C | 新レーベル表示:10.2kg(0.3mm厚) |
上記CFP値は、1平方メートルあたりの数値です。サイズ別のCFP値は、下記のように、版サイズを掛けることで求めることができます。
例:XP-F 1030mm×800mmの場合
8.60kg × 1.030m × 0.8m = 7.09kg
詳細は、富士フイルムグラフィックソリューションズまでお問い合わせください。
CFPの数値は、サーマルCTPプレートのライフサイクル各工程で排出された温暖化ガスの総量を、LCA(Life Cycle Assessment)に基づきCO2に換算したものです。
刷版の原材料調達段階における最大の環境負荷は、支持体となるアルミニウムです。原石であるボーキサイトからアルミだけを精錬する工程で大量の電気を使っており、この負荷が大きくなっています。とくに、刷版は高純度(99.5%以上)のアルミが必要で、新地金を使用するため、環境負荷量が非常に高くなります。 富士フイルムでは、この負荷を少なくするため、工場で発生する廃材を高純度のままリサイクルするシステム(クローズドループリサイクル)を開発し、従来に比べ約6%の負荷低減を実現しています。
富士フイルムの吉田南工場で塗布から出荷までの過程で排出された温暖化ガスの総量を換算したものです。同工場は、エネルギー効率の高い天然ガスによる発電設備を導入し、負荷を抑えています。
工場出荷以降、製品がお客さまの元に届くまでの間に、輸送トラックなどで排出された温暖化ガスの総量を換算したものです。
お客さまがプレートを使用し、出力から現像処理までの工程で排出された温暖化ガスの総量を換算したものです。お客さまの使用条件によって変動しますので、メーカー推奨の標準条件で算出しています。
使用済み廃版の廃棄またはリサイクルで排出された温暖化ガスの総量です。リサイクルに出した場合はこの分が引かれると考えられますが、CFPでは、リサイクル材を使用する製品の「原材料調達」に反映されるため、この工程は0kgと換算されます。
例: 廃版⇒カスケードリサイクル⇒自動車エンジンの場合、自動車エンジンの原材料調達段階のCO2量が減る。